筑肥線の車窓からも眺められる「佐用姫伝説」松浦佐用姫が降り立ったという巨石。
佐用姫岩について
唐津は万葉集をはじめ様々な古典で題材とされている『佐用姫伝説』の舞台であり、そのヒロイン・松浦佐用姫(まつうらさよひめ)の出身地。
古墳時代〜飛鳥時代に大和朝廷に仕えていた大伴狭手彦(おおとものさてひこ)は、朝鮮半島の百済と新羅の争いを鎮める為に出兵を命じられ、この唐津の地に滞在。その際に当地の豪族の娘・松浦佐用姫と恋に落ちました。
やがて狭手彦が出兵する日を迎え、佐用姫は鏡山の頂上から領巾を振りながら船を見送っていたものの別れに耐えられなくなり、呼子まで船を追いかけました。最終的には別れの悲しさで石になってしまった――というのが最もポピュラーな?言い伝えであり、その他にも佐用姫の最期には諸説あるようです。
その後朝鮮から帰国した大伴狭手彦は大和へ戻る前に鏡山の麓に立ち寄り、持ち帰った仏像を佐用姫の菩提の為にこの地に安置。その仏像は現在鏡山の麓に建つ「恵日寺」で佐用姫観音と呼ばれ尊ばれています。
また別れの舞台となった鏡山には「佐用姫神社」が創建(これは割と近年?)。こちらは縁結びのパワースポットになっているとか。
この「佐用姫岩」は佐用姫が狭手彦を追うために鏡山から飛び降りた時に降り立ったと伝わる岩で、岩の上には降り立った際に出来た窪みが残るとか。
実際のところは事前に佐用姫伝説を知っていた訳ではありませんでした。筑肥線に乗っていて、東唐津駅を過ぎた辺りに車窓から見えた池泉回遊式庭園風の池とその異様な岩組が気になって足を運んでみた。
伝説の是非はさておき、1500年にも渡ってこの巨石がこの地に残っているというだけで価値ある風景――借景には鏡山も。岩組の中には小さな祠も見えます。「佐用姫岩」から佐用姫観音のある恵日寺までは約3km。
※知らなかったけど、この佐用姫というのは唐津のみならず日本各地に伝承があるんですね〜…兵庫県の佐用町や当地にある「佐用都比賣神社」も佐用姫伝説にルーツがあるそう。
(2018年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR筑肥線 和多田駅より徒歩10分
JR唐津線・筑肥線 唐津駅より徒歩30分(駅前にレンタサイクルあり)
唐津市内より路線バス「先石」バス停下車 徒歩3分
〒847-0074 佐賀県唐津市和多田先石11-78 MAP