讃州井筒屋敷庭園

Sanshu Izutsu Yashiki's Garden, Higashikagawa, Kagawa

阿波街道の古い町並みが残る引田の豪商屋敷に造られた回遊式庭園。周辺の多くの国登録有形文化財建築も見所。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

讃州井筒屋敷庭園について

香川県のほぼ最東部、東かがわ市の引田には阿波街道の旧街道の古い町並みが残ります。その中に建つ「讃州井筒屋敷」(さんしゅういづつやしき)は江戸時代以降の古い商家・を利用した引田エリアの観光拠点となる施設で、観光案内所や町並み資料館のみならず、食事処や各種ショップ、和三盆作りの体験施設やギャラリー等の施設を併設。

この讃州引田の街は徳島(阿波)との国境の街でもあり、瀬戸内海に面した「引田港」のある港町でもあります。そのため江戸時代以前より交通の要衝であり、醤油や塩の醸造がさかんでした。この讃州井筒屋敷も江戸時代初期から醤油醸造業を営んでいた「井筒屋(佐野家)」であり、江戸〜近代にかけては東讃随一の地主・豪商だったそう。

江戸〜明治期に建てられたという主屋・お屋敷を取り囲むように回遊式の日本庭園があります。作庭年代など庭園に関する詳細の情報は載っていないけど、樹齢200年というホルトノキがあるので庭園が作られた際に植えられたものかと思います(なので作庭は江戸時代後期?)。屋敷には茶室もあり、その飛び石の多い庭園は大きな茶庭というか近代の屋敷にありそうな風情。なお下駄で飛び石歩いてると足くじきそうになるので注意…!

また東かがわ市は手袋の生産シェアを90%も占めている「手袋作りの聖地」でもあり(そうなのか…!)で、讃州井筒屋敷内には手袋作りの体験があり、また近隣にも手袋のギャラリーがありました。寒い時期には欠かせないすごく身近なアイテムなのに、そんなに偏ってるんですねえ…。

この讃州井筒屋敷は現時点では文化財指定はないようですが、この引田の町並みの旧街道沿いには多くのが残ります。日下家住宅、泉家住宅、松村家住宅、長﨑家住宅…。そして讃州井筒屋敷とほぼ隣接している、べんがら色の石蔵が特徴的な「かめびし」も同じく江戸時代から続く醤油蔵で、江戸時代〜昭和初期の建築群が国登録有形文化財に。この中にもきっと素敵な古庭園を持つお宅があるのだろうな。(も多い)
あと同じく国登録有形文化財の「旧引田郵便局」の近代建築もオシャレ!また行きたい町並みです。

(2019年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR高徳線 引田駅より徒歩7分
※鉄道の時刻が合わない場合、鳴門駅や三本松駅より引田駅まで路線バスあり

〒769-2901 香川県東かがわ市引田2163 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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