かつて徳川家に庇護された寺院に現代の禅僧・枡野俊明さんが手掛けた参道“梅華庭”と近年作庭された枯山水庭園。
西見寺庭園について
「圓通山西見寺」(えんつうざん さいけんじ)は室町時代に創建された曹洞宗の寺院。山門前の参道および梅林“梅華庭”を手がけたのは枡野俊明さん。
現代の人気作庭家のひとり・枡野俊明さんの庭園、浜松にもあるよ!と、全英語の日本庭園メディア《Real Japanese Gardens》さんに教えていただきまして。帰省したタイミングで訪れました!
事前に枡野さん作庭と把握していたのは参道のお庭だったのですが、後日お電話でお聞きしたところ参道脇にある梅林も手掛けられたと。自分が訪れた時はちょうど梅が咲き始め。今これを紹介している頃はもうピークは過ぎた後かな…?
でも実際の所、この参道よりも心奪われたのは「坐禅堂」の前の枯山水庭園。これを書いてる数日前に西見寺さんの公式サイトが丁度リニューアルして、現在はこの枯山水が写ってる写真が使われてるのですが、訪れた2月前半のタイミングの前のサイトでは写っていなくて。
どうやらこの5年以内に作庭されたもの。こちらを作庭されたのは地元の造園業っぽい話だったけれど、なんて名前の会社かもしご存知の方がいたら教えてくださいませ…。鉄平石を立てて使うとてもかっこいい現代枯山水庭園!参道挟んで逆のマツと岩の龍のような島も。
追記:
新居町で中根金作の庭園を研究する『湖西市新居・中根庭園を研究する会』を主催されておられるガーデンデザイナー・吉元洋美さんがご存知でした!
(有)創作園の柴立さんという方による作庭だそう。このお名前で検索しても全然お店の情報も出てこないけど……そこは得意技「検索」。Instagramを発見、その中でこの庭園について説明をされていた…!⇒虹遊丸さんのInstagram
あの六方石は三尊石ではなく遠州灘の大波を表現していたのか…!
お寺の紹介に戻る。西見寺は当初は現在の寺島町のあたりで創建され、その後昭和年代までは浜松の街中(モール街を南側に抜けたところ)の平田町にあったそう。平成元年、同じく古刹だった圓通山花学院の跡地(現在地)へ移転し圓通山西見寺に山号が改められました。
本堂の脇を抜けて境内奥へ進むと馬頭観音堂があります。これは当初は奈良時代に行基により造られたものとされ、戦国時代には浜松城主だった頃に徳川家康が本多平八郎忠勝を使いとして祈祷を行ったり、江戸時代には徳川家光により庇護されたことも。現在の建築は西見寺が移転後、平成3年に再建されたもの。大きなやすらぎ地蔵や包丁塚の周りの弁天池の石組も雰囲気ある。
西見寺の参禅会は一般の方も参加可能とのこと。『龍雲寺』とあわせて、浜松で現代日本庭園へ足を運ぶ際はチェックしてみて!
(2020年2月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)