龍雲寺庭園Ryuun-ji Temple Garden, Hamamatsu, Shizuoka

現代京都の代表的作庭家・北山安夫による枯山水庭園“無量寿庭”と大滝を持つ“清浄庭”。天才書家・金澤翔子の“世界一大きい般若心経”も。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

龍雲寺庭園「無量寿庭」「清浄庭」について

「西湖山 龍雲寺」(りゅううんじ)は浜松市の佐鳴湖畔にある約700年前の南北朝時代に創建と伝わる寺院。境内には“平成の小堀遠州”とも称される現代日本を代表する作庭家・北山安夫さんにより作庭された枯山水庭園“無量寿庭”と池泉式庭園“清浄庭”があります。また天才書家・金澤翔子さんによる「世界一大きい般若心経」も。
2020年秋の帰省時に一年半ぶりに拝観。その際の写真を追加しました。特別に、普段は入れないお茶室からの眺めも。

龍雲寺を開いたのは後二条天皇の孫で時の皇太子・木寺宮康仁親王とされます。京都から東国へ下った康仁親王はこの付近に館を構えたのと同じくして、京都の『天龍寺』などの住職をつとめ相国寺の初代だった春屋妙葩(知覚普明国師)を開山として創建。木寺宮家に代々伝わる平安時代作の御本尊・阿弥陀如来坐像が浜松市指定の文化財となっています。

戦国時代を迎えると、この遠江国も徳川家康と甲斐国・武田信玄による三方原の戦いの戦場に。この龍雲寺は甲斐の『恵林寺』と縁深かったため武田側の味方をした結果、合戦後に徳川勢に攻められて焼失することに。
その後、江戸時代中期の元禄年間に再興。現在の本堂はその当時に作られたもので、浜松空襲の被害からも免れ(改修などを経ながらも)現代へと至ります。現在は臨済宗妙心寺派の準別格地。

余談。中の人は佐鳴湖のすぐ近くに幼少期を過ごした家がありました(今はもうない)。そのすぐ近くの御前谷川という桜並木が美しい川があり――御前谷川の名前の由来となっているのは、この地で家康の家臣によって殺された徳川家康の正室・築山御前。その事についてはこの辺の記事が詳しいのですが、今はただの住宅街だけど(といっても弥生時代の古墳「蜆塚遺跡」も近くにあるけど)、歴史がある地域だったんだなあ。

本堂の前後に、京都の『高台寺庭園』『建仁寺 潮音庭』等が有名な北山安夫さんにより2年間(構想から3年)かけて作庭された2つの庭園があります。昭和の小堀遠州がこの静岡県西部出身の中根金作さんならば、平成の小堀遠州と評される?のが北山安夫さん。

まずは本堂前庭の枯山水庭園“無量寿庭”。本堂から見て正面に三尊石、右手に亀島、そして左手には27mの龍を抽象的に表現した石組。
その白砂は大海が表されているので、参拝者はその海の中を渡って本堂へ至る、といった形になりますが、これも“入ってみたくなる庭園/”になるような演出。三尊石や龍には京都から運んできた石が用いられ、一方で亀には地元・天竜川沿いの青石が用いられているそう。

そして本堂奥にある、佐鳴湖畔の自然の山の険しい斜面を活かした15mの大滝“無位の滝”を持つ池泉庭園“清浄庭”
京都には主に枯山水庭園を手掛けている北山さんにとって(国内では?)最大の滝を持つ庭園で、その作庭中には大きな怪我も…。まさに命と向き合いながら、その精神性も込められ完成した日本庭園。一方で佐鳴湖からの立地や湧水による滝ということで、この池に登場するサワガニが子供には人気なのだとか…。

その庭園から、近年建立された涅槃堂へと進むと『地獄極楽図』という十六の絵図が展示された回廊と、そして書家・金澤翔子さんによる『世界一大きい般若心経』があります。有名になる以前より金澤翔子さんと縁深いお寺さんだそうで、この作品以外にも複数の奉納された作品を鑑賞することができます。御朱印も金澤翔子さんデザインのものがあるとのこと。(※また通常公開はされていませんが、白隠禅師の書画や伊藤若冲横山大観、狩野派絵師による絵画も所蔵しているそう。)

本堂でお参り後は庭園も金澤翔子さんの作品も自由に拝観することができますが観光寺院ではないので、心を静めてその禅寺の雰囲気を味わってください。北山安夫さん曰く、「庭園が完成するのは30年後」。実際まだ背の低い樹木も多い。年を重ねるごとに味が出てくると思うので、今後も帰省がてら足を運びたい。

(2019年4月、2020年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR浜松駅より路線バス「矢田坂」バス停下車 徒歩3分
JR東海道新幹線 浜松駅より約4.5km(最近は駅周辺にレンタサイクルあり?)
JR東海道本線 高塚駅より約2km(徒歩25分)
※さわやか浜松高塚店から徒歩30分

〒432-8061 静岡県浜松市西区入野町4702-14 MAP