露山堂庭園Rozando Garden, Yamaguchi

明治維新の影の立役者、長州藩主・毛利敬親ゆかりの茶室と、子爵・品川弥二郎の命で作庭された日本庭園。

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香山公園 露山堂庭園・枕流亭について

「露山堂」(ろざんどう)は幕末~明治維新期の長州藩主・毛利敬親が建てた茶室。日本の歴史公園100選にも選ばれている『香山公園』内には明治時代に移築され、その当時作庭された日本庭園も残ります。

2021年7月に約5年ぶりに訪れた、『瑠璃光寺五重塔』。前回訪れた時はこんな茶室・庭園があるとはちゃんと把握していなかったので今回初めて鑑賞。

1863年(文久3年)4月、萩藩主・毛利敬親はこれ以降の激動の時代に供えるべく藩庁を萩から内陸部の山口へ移転(山口移鎮)。現在山口県庁の建つ場所に“山口屋形”(山口政事堂)と呼ばれた居城が築城され、この茶室も当初はその中に建てられました。

“露山堂”の名は山口屋形が“一露山”(市郎山)の麓に建立されたことから。その扁額は京都の公卿・三条実愛の筆。当時は身分関係なく部下/藩士が集められ茶会を催し――その場で倒幕に向けての密議が繰り返されていたということだから、桂小五郎などの有名藩士も参加していたのかもしれませんね。

明治維新後~廃藩置県後は毛利家や県の手からも離れ所有が転々しボロボロに。それを惜しんだのが品川弥二郎
幕末期には松下村塾で学び、禁門の変・薩長同盟・戊辰戦争と歴史的な場に居合わせ、明治維新後は内務大臣をつとめるなど政治家として東京で活動していた弥二郎、かつて主君と場を共にしたゆかりの茶室を有志とともに購入し、『毛利家墓所』の麓である現在地に移築。

現在はそこから130年以上建つけれど、決して朽ちている様子ではなく。内部は普段は公開されていませんが、例年9月に行われているイベント『山口ゆらめき回廊』では特別茶席が企画され、その際に内部も見られるそう(2021年もポスター見たら9月25日に茶会が企画されていた)。建物外観と庭園は常時見学できます。

なので、年代で言えば山口市に残る近代に作庭された国の文化財庭園『松田屋ホテル庭園』『山水園庭園』よりもちょっと古い。そしてその二者は京都の作庭家が招かれているけど、これは多分そうではない。
この7月には萩市の庭園も沢山巡った(後日少しずつ紹介します…)のですが、その時に思ったのは“出雲流庭園っぽいのが割とあるな~”ってこと。特に飛び石の感じがそういう印象を受けていたんだけど、この露山堂庭園には“萩の庭園っぽさ”がある。

ただ平坦な萩にはあまりこのような“山の斜面を利用した回遊式庭園”は無いし――開放的で芝生が整備された瑠璃光寺五重塔の回遊式庭園と違って薄暗く苔むして幽玄さ漂うのも良い。池泉の中央の中島も独特な造形でとても惹かれる。

その他、露山堂の前にある独特な長方形の手水鉢“誰が袖の手水鉢”は京都の小堀家から岩国藩主・吉川家に贈られ、そこから毛利敬親に献上されたもの…の写し。明治の移築時に幕末を偲ぶ品として再現されました。

そして露山堂の裏にある『枕流亭』も長州藩側が薩摩の西郷隆盛小松帯刀らと薩長同盟についての密議を重ねた和風建築で、1960年(昭和35年)に香山公園内に移築。室町時代の五重塔から幕末~明治維新まで歴史的スポットを体感できる。いつか建物の内部も見学したい。

(2021年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山口線 山口駅より徒歩30分/上山口駅より徒歩25分(山口市内にシェアサイクルあり)
山口駅より路線バス「山口県庁前」バス停より徒歩10分
山口駅よりコミュニティバス「香山公園五重塔前」下車すぐ

〒753-0081 山口県山口市香山町1-14 MAP