“椿の寺”とも称される椿の名所。後水尾天皇ゆかりの日光椿や、江戸中期の池泉鑑賞式庭園も。春と秋に期間限定公開。
霊鑑寺庭園について
【通常非公開・特別拝観期間あり】
「霊鑑寺門跡」(れいかんじもんぜき)は京都市天然記念物にも指定されている日光椿をはじめとして30種類以上もの椿を観ることができる椿の名所で、“椿の寺”とも称されます。普段は非公開ですが、例年春の椿の見頃な時期と紅葉時期に特別拝観期間があります。2019年・2020年の春に拝観!
哲学の道からちょっと坂を登った場所にある寺院で、『修学院離宮』等の築庭でも知られる後水尾天皇が自身の娘である皇女・宗澄女王を開基として1654年に創建。以後、明治時代まで5人の皇女・皇孫が入寺し住職を務めた尼門跡寺院で、その格式から「谷の御所」とも呼ばれたそう。
また書院と玄関は江戸時代初期に後西天皇の御休息所・御番所を京都御所から移築したもので、少し高台にある本堂は江戸時代後期に江戸幕府11代目将軍・徳川家斉の寄進によって建立されたものが現在も残っており、いずれも京都市の指定文化財となっています。
書院前に広がる池泉鑑賞式庭園は東山連峰・大文字山の稜線の斜面を活かした庭園。江戸時代中期の作庭技法を用いている――ということなので江戸時代中期の作庭と捉えていますが、その石組の周囲に後水尾天皇が好んでいたという日光椿もあります。お庭好きの後水尾天皇なのだから、このお寺の作庭にも絡んでいても不思議ではない…と思いつつ。
…でも庭園目的で色んなお寺さんを巡っている自分ですら思わず色んな椿の前で足を止めてしまうほど、椿の花が美しいんだよなあ。庭園の上部には桜の木もあり、椿と桜の競演も。
そして椿に気を取られてしまいつつも、順路の最後の書院内部の展示では狩野元信などの狩野派や円山応挙による襖絵が待ち受けていて、これまた感動…。また秋の特別拝観にも訪れてみたい!
(2019年3月、2020年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)