大徳寺 黄梅院庭園Daitokuji Obaiin Temple Garden, Kyoto

千利休作庭と伝わる苔庭“直中庭”にモダンな石庭“破頭庭”、枯山水庭園“作佛庭”と茶室建築群と苔と紅葉!

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

大徳寺 黄梅院庭園について

【特別拝観期間あり】
「黄梅院」(おうばいいん)は京都の大寺院の一つ『大徳寺』の境内南部に位置する塔頭寺院。かの千利休の作庭と伝わる苔庭“直中庭”のほか、室町時代末期の天正年間に作庭された枯山水庭園“破頭庭”、そして現代に作庭された枯山水“作仏庭”と複数の枯山水庭園を鑑賞することができます。また天正年間に建立した本堂・唐門・庫裏が国指定重要文化財。
その名前は認識しながらこれまで足を運んでなかったのですが、現在だけ撮影可能とのことで2020年9月に初拝観。そしてとんでもなく良い庭だった…!

その歴史は戦国時代真っ只中の1562年(永禄5年)、織田信長が初めて京都へ入った際に父・織田信秀の菩提を弔うために小庵「黄梅庵」を羽柴時代の豊臣秀吉に命じて造らせたことにはじまります。
本能寺の変以降、秀吉が徐々に改築を加え名を「黄梅院」と改めました。国重文の庫裏のほか、表門・客殿は秀吉と同じく小早川隆景が寄進したもので、鐘楼は朝鮮出兵から加藤清正が持ち帰り寄進したもの。また江戸時代以降は大名・毛利家の京都における菩提寺。

大徳寺はお茶にゆかりある塔頭が多いとはいえ、黄梅院は美しい苔庭を抜けて受付を済ませたら茶室“向春庵”があり、その先にも待合とお茶室があって、そこからの“直中庭”へと続く回廊も質素な数寄屋建築って感じで、いやあ無茶苦茶良いなあ…。

■直中庭
茶室“一枝庵”を中心に一面に美しい苔の広がる茶庭の香り漂う枯山水庭園は、千利休が62歳の時に作庭されたと伝わる庭園。
三方から眺めてよしなんだけど、書院「自休軒」からの眺めが一応のビューポイント。苔庭の傍らには、秀吉の軍旗“千成瓢箪”を形どったという池泉も設けられています。また苔の上にたたずむ朝鮮燈籠は梵鐘と同じく加藤清正が朝鮮より持ち帰ったものだとか。

■書院「自休軒」
そんな直中庭を眺める建物は“自休軒”といって、庭園よりは後の江戸時代初期、1652年頃に建造されたもの(またその建造には伏見城の遺構が用いられているそう)。大徳寺を開いた大燈国師の遺墨「自休」を扁額として、そこから名付けられた建物(また大徳寺ゆかりの一休さん、そして千利休から“休”の字を引用したとも)。
千利休の師・武野紹鴎の作と伝わる、元は独立した茶室だった茶室「昨夢軒」が建物内に取り込まれています。

■破頭庭
国重文の本堂から眺める石庭。建造物と同じく天正年間の作庭とされますが、直線的なデザインがとても現代的に感じる!禅のお庭って感じ。その命名は、中国に現存する“破頭山東禅寺”の三十二代目・大満弘忍禅師により名付けられたもの。
その中央の二石と左手側にある平べったい石は“聴聞石”といって、それぞれ文殊菩薩・普賢菩薩・そして修行中の弓道者の姿を表しています。

■閑坐庭
現代に作庭された本堂と庫裏の間にある坪庭。

■作佛庭
そして庫裏〜本堂の裏庭となっている枯山水庭園が作佛庭。境内の最北東にあたる位置(その向こうにはお隣『龍源院』の本堂が見える)からはじまるその白砂は自休庵の裏までずーっと続き、また“閑坐庭”とも繋がっている。
そしてその青石を立てた枯山水、なんだか個人的にはすごく『瑞峯院庭園』と背中合わせのような感じがするな…と。茶室“東禅軒”の姿がそう感じさせるのか。

でもこの庭園は重森作品ではないし、受付で質問したけれど作者は不明だった。パンフレットでも《生々流転を表したものか。》と作者の意図が話されていないかのような書き方。気になる。
なお、『足立美術館』庭園で知られる中根金作(中根庭園研究所)の昭和年代の施工実績に『黄梅院庭園』があります。範囲が広いからどこまでかがわからないところだけど…(自休軒まわりの枯山水はもっと新しい感じがするので)

いやーなんで今まで来なかったんだろと思わされた素晴らしいお庭でした。いつかお茶会とかに参加して、違うルートで黄梅院を味わってみたい…!

(2020年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 北大路駅より徒歩17分
北大路駅より路線バス「大徳寺前」バス停下車 徒歩3分

〒603-8231 京都府京都市北区紫野大徳寺町83-1 MAP

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