徳川家康にその名を授かった、旧東海道に面する商家の庭園。伝小堀遠州作の国指定名勝の庭園のほか、屋敷は国指定重要文化財。
大角氏庭園について
【通常非公開・春秋に特別公開】
「大角氏庭園」(おおすみしていえん)は旧東海道に面した江戸時代から続く商家に残る庭園で、国指定名勝。徳川家康からその名を授かった『旧和中散本舗』(きゅうわちゅうさんほんぽ)として国指定史跡でもあり、その主屋・正門・隠居所も江戸時代中期から残る建造物として国指定重要文化財。
2016年5月に初めて訪れた際には“毎月第一土曜日”には予約なしで見学可能でしたが(自分もそこで訪れた)、近年では『春・秋の特別公開期間以外は非公開』という形になりました。
東海道名所図会にも描かれているこの建物は江戸時代には東海道を往来する人々のための“ぜさいや”という薬屋でした。徳川家康が腹痛を起こした際にこちらの薬をとったところ治癒し、家康から“和中散”の名を与えられました。
現在残る建物は江戸時代中期に建築されたもので、東海道五十三次:草津宿・石部宿の間の宿(本陣)として大名や公家の休憩所としても用いられていたそうで、玄関前には明治天皇の来訪を伝える石碑があります。
主屋の裏に国指定名勝の池泉鑑賞式庭園があります。数ある国指定名勝庭園の中で規模は決して大きくないけれど、日向山を借景として大きな築山と滝石組が配された庭園。カキツバタに囲まれた中島は明治時代に加わったものだそうなので、芝生がはられたのもその頃なのかも。
作庭は小堀遠州という言い伝えがありますが、建物とあわせて作られたものと考えると小堀遠州ではなく遠州流の誰かということなのかな…。いずれにしても、“東海道”という歴史的な街道沿いの江戸時代の庭園としてその姿を今日に伝えています。
(2016年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR草津線 手原駅より徒歩25分
手原駅よりコミュニティバス「旧和中散本舗」バス停下車すぐ(平日のみ・本数僅少)
〒520-3017 滋賀県栗東市六地蔵402 MAP