長岡安平が植えたという国の天然記念物の桜や、かすかに残る大名庭園の遺構が見られる都市公園。
大村公園(玖島城跡)について
「大村公園(玖島城跡)」(おおむらこうえん)はかつて大村藩の居城・玖島城の跡地に造られた都市公園。日本の歴史公園100選に選定されています。
現在は長崎空港の玄関口である長崎県大村市は、かつて大村藩・大村氏(キリシタン大名として知られた時代も)の城下町で、街にはかつての武家屋敷地区の面影や幕末に活躍した楠本正隆の武家屋敷、また国指定名勝である「旧円融寺庭園」なども残っています。
この公園は桜の名所として知られ、「日本のさくら名所百選の地」にも選定、「大村神社のオオムラザクラ」は国の天然記念物に指定されています。その桜を明治時代に東京から持ち帰り植えたとされるのが、大村藩士出身で明治以降に全国で数多くの公園を手掛けた造園家・長岡安平。(大村公園は設計を手掛けてないそうですが、顕彰碑が公園内にあります)
「大村公園」として完成・開かれたのは昭和初期で、前庭のようにある池泉回遊式庭園「桜田の堀」も昭和中期に完成したもの。また大変わかりづらいのですが、国道34号線(長崎街道)に沿った場所にあり草が生い茂っている小さな池泉式の庭園(6・7枚目)が、実は江戸時代に造られた大名庭園の遺構だそう。「桜田屋敷跡」という説明板がなければ気づかない…その庭園の大部分はこの国道34号線を通す時に消滅したそうです。
また南側の石垣に沿って進んでいくと復元された「板敷櫓」があり、その周辺含め花菖蒲園が広がります。その数なんと30万本。その時期の「花菖蒲まつり」では櫓や花菖蒲のライトアップも行われるそう。今回は時期外れでしたがいつかその時期に見てみたい!
城跡の本丸には現在大村藩主を祀った「大村神社」が建っています。また付近にはかつて藩主の別荘として建てられたという「旧梶山御殿」も。
(2017年11月、2018年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)