奥丹清水庭園

Okutan Kiyomizu Garden, Kyoto

清水寺へ向かう三年坂沿いにある、江戸時代初期に創業した“日本一古い湯豆腐店”は、大正時代の建築と庭園にも注目!

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総本家ゆどうふ奥丹清水“錦翠の庭”について

「総本家ゆどうふ奥丹清水」(そうほんけゆどうふおくたんきよみず)は京都の観光名所・二寧坂(二年坂)の目の前にある湯豆腐屋。江戸時代初期の1635年(寛永12年)の創業で“日本一古い湯豆腐専門店”と言われます。この清水店は“京都市民が選ぶ 京都の財産として残したい京都を彩る建物や庭園”にも選定されている、大正時代の近代和風建築と約600坪という日本庭園も鑑賞できます。

2020年春に初めて訪れました!COVID-19で観光客が減少する中で、普段あまり食にはこだわりがないけど「(庭園のある)良いお店に行ってみよう」行動の一環。奥丹さんは南禅寺のすぐ近くに南禅寺店もあります。
前述の通り「京都を彩る建物や庭園」に選定はされているけど、公式サイトではそこまで庭園推しじゃない――のですが。個人的には「こんなポテンシャルある庭園が隠れてるのか…!」とテンションが上がった場所です。『青龍苑』もそうだったけど清水寺エリアもまだ知らない庭園たくさんあるな…。もちろん豆腐料理も堪能!

産寧坂(三年坂)のゆるいカーブ沿いに建つこの和風建築、元は醤油醸造で財を成した石橋氏別邸として1913年(大正2年)に建てられたもの。昭和初期の地図にも確かに“石橋別荘”とある――けどこの石橋家がなんて屋号・メーカーだったかは現時点ではわからず。その邸宅を先代のご当主が取得し、清水店として開業したのは昭和50年代のこと。

庭園“錦翠の庭”はその際に作庭された池泉回遊式庭園。作庭者は不明だけどすごく良い庭園だと思ったので今後わかったら追記…。高地部と低地部に分かれているこの庭園、現在は座敷から眺めるのみ。高地部は斜面を活かした鑑賞式庭園で、滝石組を隠すように斜めに突き刺さっている赤茶の庭石がめちゃくちゃ気になる。

そして低地部は、近年は「もうしばらく使っていない」とのことだったのですが、屋外にテーブルを並べられる程の広さのある池泉回遊式庭園になってます。石積を上から見るに、だいぶ(渓谷のように)低くまで庭園が存在していて、更に石橋の先にはやはり現在は使われていない“離れ”(これも大正~昭和初期のもの)などの近代の建物が存在している。あと洋館も。

庭園低地部の渓谷のようになっているところ(地下)に、お店で出されている豆腐の工房があり現在も毎日そこで豆腐が作られているそうです。近代の別荘がそのように改築されているところがめちゃめちゃ興味深いし、公開されていないエリアを含めて「こんな別荘建築がこの場所にあったのか」と感嘆しながら湯豆腐を味わいました。池にせり出すようになってる元茶室の雰囲気もめちゃくちゃ良くて。

訪れた時期は正に新緑!といったタイミング。このモミジ、秋には美しい紅葉の庭園になるんだろうな~。また食事しに訪れたい!

(2020年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京阪電車 祇園四条駅・清水五条駅より徒歩20分弱
阪急京都線 河原町駅より徒歩25分
最寄りバス停は「清水道」徒歩7分

〒605-0862 京都府京都市東山区清水3-340 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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