かつて三井財閥の別邸があった場所に開かれた公園。富士山・相模湾の絶景と紅葉が美しい池泉回遊式庭園。
大磯城山公園(旧三井財閥別邸跡)について
「大磯城山公園」(おおいそじょうやまこうえん)は「日本の歴史公園100選」にも選ばれている神奈川県立の都市公園。かつて三井財閥の別荘地だった地区と首相・吉田茂邸のあった地区の2箇所に分かれていますが、こちらでは旧三井別邸地区を紹介。「旧吉田茂邸庭園」はこちら。
三井財閥本家の別邸がこの地に作られたのは明治時代。中世には「小磯城」というお城があったことを由来として主屋・本館が「城山荘」と呼ばれました。かつては数多くの楼閣風建築が多くあったようですが、現在残っているものは「北蔵」という石蔵のみ(ギャラリーとして公開)。写真で見ても素晴らしい建築ばかりなのでいつか移築保存されているものは見に行きたい…。高台にある展望台からは相模湾のみならず遠く富士山も眺めることができ絶景。
高低を活かした園内には「こゆるぎの滝」という滝や小川が流れ、そして低地部にある「不動池」を中心とした池泉回遊式の日本庭園へ流れつきます。この池泉廻遊式庭園は「もみじの広場」と呼ばれていて、その名の通りモミジが美しく、秋には紅葉ライトアップも開催。
同じく低地部には茶室「城山庵」があります。織田信長の弟・織田有楽斎の造った国宝茶室「如庵」は正伝院(正伝永源院)から三井財閥に渡り、一時はこの三井別邸地区に移築されていたそう。現在は愛知県の日本庭園「有楽苑」へ移築されていますが、この城山庵は「如庵」を意識して作られたものとのこと。イベント利用や公園内の施設としてお茶をいただくことができます。茶室の周辺にも茶庭が。
そのほか公園内には「大磯町郷土資料館」もあります。ちなみに城山荘の遺構の一部は、東京の「江戸東京たてもの園」に移築保存されている『三井八郎右衞門邸』で見ることができます。
(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR東海道本線 大磯駅より徒歩約30分(観光案内所にレンタサイクルあり)
大磯駅より路線バス「本郷橋」バス停下車または、大磯駅・平塚駅より路線バス「城山公園前」バス停下車
〒259-0111 神奈川県中郡大磯町国府本郷551-1 MAP