信長や秀吉に仕えた武将・石河光重ゆかりの寺院に、現代に作庭された庭園“帯流庭”。仏師・宮本我休さん作の扁額も。
妙心寺 養徳院庭園について
「養徳院」(ようとくいん)は京都を代表する寺院のひとつ『妙心寺』山内にある塔頭寺院で、国指定名勝の庭園『桂春院庭園』の隣の隣、先に紹介した『大雄院』の隣。
2022年1月にアニメ『五等分の花嫁』と妙心寺の塔頭寺院のコラボ企画で特別拝観をされていたので、その際に初拝観。なお通常非公開かと思っていたけど、公式サイトでは「開門時間中、お気軽にご覧ください」とあるので普段から拝観できるかもです。今度通った時に確認してみよう…。
その歴史は戦国時代の終わり頃、1583年(天正11年)の創建。豊臣秀吉に仕えた武将・石河光重(石川光重)により父・石河光延(石河家光)の菩提寺として建立されました。開山はその兄、妙心寺67世住職の功沢宗勲。
石河家は美濃出身で織田信長にも仕えていた縁から、信長が信仰した妙心寺53世・蘭叔玄秀の書“酒茶論”を所蔵されています。(大雄院も石河家ゆかりの寺院だけど、苗字は同じだけど血縁としては近くなさそう)
当初は現在周囲にある大雄院/幡桃院/海福院/雑華院の敷地を含む広大な境内をほこったそうですが、徐々に縮小。現在のお堂が建立されたのは幕末の1859年(安政6年)、その後1935年(昭和10年)に現在地に移築。
方丈の南に面して、2017年に作庭されたばかりの池泉回遊式庭園“帯流庭”があります。“井戸から湧き上がる水が、帯のような細い流れの渓流となり、やがて大きな流れとなり大海に注ぎ込む大自然”を表現した庭園。その周囲の苔もきれい。
庭園の奥(西側)にある新しいお堂の名は“帯谷庵”(たいこくあん)。庭園を寄進された帯谷泰三さん(『静寂の世界』という書籍を出版されている関西の経済人)にちなんで命名され、その扁額はつい先日Twitterでもバズっていた仏師・宮本工藝 宮本我休さんにより手掛けられています。
月に一週末ほど直書き御朱印があり、その時には庭園も拝観できると思うので、ぜひ御朱印目的にも訪れてみて。
(2022年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR嵯峨野線 花園駅より徒歩10分
嵐電(京福)北野線 龍安寺駅より徒歩8分
最寄りバス停は「妙心寺北門前」バス停 徒歩4分
〒616-8035 京都府京都市右京区花園妙心寺町53 MAP