近代日本の実業家・菊池寛実の旧邸跡に開館した美術館の日本庭園。大正時代の洋館は国登録有形文化財。
菊池寛実記念 智美術館庭園について
「菊池寛実記念 智美術館」(きくちかんじつきねん ともびじゅつかん)は東京の虎ノ門と六本木一丁目の間の高台、ホテルオークラ東京から程近くにある美術館。現代陶芸のコレクターだった菊池智により2003年に開館、そのコレクションから主に現代陶芸の展覧会が企画・開催されています。美術館内のレストランから眺められる日本庭園がある――と聞いて初めて訪れました!
この場所は菊池智の父であった大正〜昭和に炭鉱経営などで財を成した実業家・菊池寛実が邸宅を構えていた部分で、美術館敷地内には国登録有形文化財となっている大正時代の洋館「菊池寛実記念智美術館別館」(旧菊池寛実邸)が建ちます。この洋館は現在も迎賓館として利用され、不定期で一般向けの特別公開も行われているそう。
美術館入ってすぐの場所にあるレストラン――はこの3月で閉店し、現在は休憩室になっていましたが、その目の前に芝生がきれいな庭園が広がります。周辺には高層ビルが立ち並ぶのですが(というかこの美術館の上も高層ビル)、この美術館の屋根の高さが程良く、良い具合に視界に樹木と庭園が目に飛び込んでくる――美術館のモダンな建築とこの庭園の雰囲気も意外と合う!
庭園に面している洋館が大正時代の建築と考えると、この庭園も大正〜昭和初期に作庭されたものなのかなあと…完全に推測ですが広い芝生+和風庭園の組合せは近代という感じで、あまり現代的な表現物も無い気がする。
残念ながら庭には出られませんが、洋館とは逆側には書院風の和風建築が見られるし美術館の通路には石蔵もあった。「旧菊池寛実邸」といった目線での建物公開があったらぜひ訪れたい…。
今回訪れた際に行われていた企画展は主な収蔵作家の一人である加守田章二の『野蛮と洗練 加守田章二の陶芸』展。陶芸作品を見る目があるわけではないのですが(ときどーき茨城・笠間や岐阜・多治見の陶芸美術館行ったりもしたけど…)、めちゃめちゃ面白かった!うつわそのものや柄の曲線の表現や、派手過ぎない淡い色味――暗い中にどこか感じられるポップな部分。オススメの企画展です!また別の企画展も足を運んでみよう。
(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
東京メトロ日比谷線 神谷町駅より徒歩8分
東京メトロ南北線 六本木一丁目駅より徒歩9分
東京メトロ銀座線 虎ノ門駅より徒歩12分
〒105-0001 東京都港区虎ノ門4丁目1-35 MAP