世界遺産にも登録された平安時代の庭園で、浄土式庭園の代表作。中尊寺金色堂と並び平泉の代表的スポット。
毛越寺庭園について
「毛越寺庭園」(もうつうじていえん)は世界遺産『平泉 ―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―』に構成される日本庭園で、平安時代末期に作庭された浄土式庭園の代表作。金色堂で知られる『中尊寺』とともに平泉を代表する寺院として、国の特別名勝および特別史跡となっています。2019年のGWに5年ぶりに訪れました!
毛越寺は平安時代の初期、850年に慈覚大師円仁により創建。その後の平安時代後期、奥州藤原氏の藤原清衡により再興され、二代目・藤原基衡、三代目・藤原秀衡の時代に壮大な伽藍(寺院の建造物)を造営。その数は堂塔が40、僧坊が500…という大規模なものだったそう。
奥州藤原氏滅亡後も伽藍は維持されていたものの、鎌倉時代〜室町時代にかけて全てを焼失。現在残されている建造物で最も古いのは池のほとり、遣水の隣にある「常行堂」で江戸時代中期に仙台藩主・伊達家により建立されたもの。本堂は現代に入り平成元年に平安時代の様式で再建されたもの。かつて豪華爛漫だったと伝わる嘉祥寺、金堂円隆寺も礎石のみ残されています。
そんな中で、“大泉が池”を中心とする池泉回遊式庭園は平安時代末期に作庭されたものがほぼ完全な状態で残されている――とされます。平安時代〜鎌倉時代に見られる浄土庭園の代表的な庭園で、現存する中では京都『大覚寺大沢池』と共に最も大きな規模。(白水阿弥陀堂もそうかな?)
最初訪れた頃は、州浜や中島のような「日本庭園っぽいもの」を見ておお〜なんて思っていたけど、回数を重ねるうちに見方も変わってきていて――借景の美しさだったり、池の周辺の石組だったり、中でも美しさをほこる出島石組、池中立石だったり。様々な魅力がこの庭園には詰まっている――ということを実感する。そして何より水が美しい!池に映る空の姿を毎回見られてます。
庭園の奥には日本で唯一平安時代から残る遣水の遺構も。かつて「曲水の宴」が行われたこの場所で、現在も毎年5月に「曲水の宴」が再現されています。文句無しの、東北および東日本を代表する日本庭園の一つ!
また現在の境内の外、『観自在王院跡』の苑池も国指定名勝となっている当時の庭園の遺構です。併せてチェック!
(2010年9月、2014年9月、2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)