御船山の断崖を借景に20万本の躑躅の咲き誇るツツジの名所は、江戸時代に佐賀藩家老/武雄領主・武雄鍋島家の別邸に作庭された国登録文化財庭園。
御船山楽園(旧武雄邑主鍋島氏別邸庭園)について
「御船山楽園」(みふねやまらくえん)は園内に20万本ものツツジの植ったツツジの名所。江戸時代に武雄の領主だった武雄鍋島家(佐賀藩主・鍋島家の家老)の別邸の庭園『萩の尾園』をルーツとし、「旧武雄邑主鍋島氏別邸庭園」として国の登録文化財庭園(登録記念物・名勝地関係)となっています。
2024年に数年ぶりに訪れ、またツツジが見頃の時期に初めて訪れたのでその際の写真を中心に紹介。
その歴史について。西九州新幹線・武雄温泉駅からもその姿がのぞめる、武雄市のシンボル的存在「御船山」。その名の由来は古代に神功皇后が新羅へ遠征した帰りに御船をつなぐ場とされたからとか。また奈良時代には名僧・行基も御船山を訪れ、釈迦像三体をはじめ五百羅漢を洞窟に安置したと伝わります。
そんな御船山の麓に、江戸時代後期の1845(弘化2年)から約3年の歳月をかけて造営された武雄領主・鍋島茂義の別邸と庭園『萩の尾園』が御船山楽園の前身。28代目武雄領主/武雄鍋島家9代目の鍋島茂義はいち早く蘭学や西洋式砲術や科学技術を習得し、幕末の佐賀藩の高度な軍事/技術開発を牽引しました。
15万坪/約50万平方メートルにも及ぶ広大な園内のうち、当初作庭されたのが門から近くの池泉庭園。鍋島茂義は作庭にあたって京都から狩野派の絵師を招き、デザイン/設計図を描かせたとか。
池泉のほとりにある茅葺屋根のお茶室「萩野尾御茶屋」。春と秋のみ内部も公開されお団子とお茶を味わうことも。またこの茶屋の脇にある樹齢170年の大藤も春に紫の花が広がります。
池泉から少し坂を登った先に現れるのが、冒頭の御船山を断崖絶壁を借景としたツツジ群!20万本にも及ぶ色とりどりのツツジや2,000本もある桜は明治時代以降に拡張されたものだそう。3月下旬〜4月上旬には桜、そして4月中旬〜5月上旬?頃までツツジの花を楽しめます。そして秋の紅葉も人気!
また近年はクリエイティブ集団・チームラボによる庭園ライトアップイベント(むしろ昼間より人が多い?)や、隣接する『御船山楽園ホテル』でもチームラボの作品群を楽しむことができます。
>>チームラボによるライトアップ『かみさまがすまう森』や作品の写真はこちら。
なお『御船山楽園』から徒歩5分程の場所には、日本一の庭園『足立美術館庭園』の作者として知られる造園家・中根金作が手がけた庭園『慧洲園』(陽光美術館)があります。そちらでも広大な回遊式庭園を楽しむことができるので、セットで見に訪れて欲しい庭園!
(2015年11月、2018年10月、2024年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR西九州新幹線・佐世保線 武雄温泉駅より徒歩30分
JR武雄温泉駅から路線バス「御船山楽園」バス停下車 徒歩2分
〒843-0022 佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100 MAP