前田利家の次男・前田利政を祖とする“前田土佐守家”にまつわる博物館で見られる、“金沢らしい”日本庭園。
前田土佐守家資料館について
「前田土佐守家資料館」(まえだとさのかみけしりょうかん)は加賀藩前田家の初代・前田利家の次男・前田利政を祖とする“前田土佐守家”に伝わる史料約9,000点(石川県指定文化財)を所蔵・展示する博物館。金沢市内の主要観光地の一つ・長町武家屋敷跡の一角にあります。
2020年9月に訪れ紹介した『金沢市老舗記念館』のすぐ対面にあり共通入場券もありますが、その時はちょうど展示替えで休館中…てことで改めて訪問。
2002年開館の博物館を取り囲んで日本庭園があります。中でも屋内の庭園鑑賞室から眺められる池泉庭園は加賀藩政時代から伝わる“書院庭”の様式を基調とし“金沢らしさ”を意図して作庭されたもの。造りとしては回遊式庭園になっていて大きな石塔なども配されているので、庭に出られないのが残念~。(建物の側面の南庭は歩くことが可能)
前述の通り前田家といっても藩主・前田家とは違う前田家(分家)になりますが、本多家や横山家と並んで加賀藩の重臣“加賀八家”に含まれる家柄として代々加賀藩政を支えました。12代藩主・前田斉広の時代に『兼六園』内に隠居所「竹沢御殿」の造営を担当したのは、七代目・前田直時。
本家・前田家が利家の正室“お松の方”こと芳春院の血筋が途絶える一方で、前田土佐守家は現代にもその血筋を残しているそう。この資料館では江戸時代からの歴代当主の残した資料が展示されていますが、芳春院自筆の書状や織田信長・豊臣秀吉に関する書も。
ちなみに、前田土佐守家の祖・前田利政は関ケ原の戦いに参戦しなかったことで家康から領地(能登国)を没収。その後は京都で隠棲生活を送り、茶人として本阿弥光悦や角倉素庵(角倉了以の子)らと親交を深めたとか。資料館には利政の鎧のほかに茶道具も残されています。当時の大名の中にもそんな浮世離れした人も居たんだな~、というのは面白い。
(2020年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR北陸新幹線 金沢駅より2km弱(徒歩25分弱。市内各地にレンタサイクルあり)
金沢駅より路線バス「香林坊」バス停下車徒歩6分
観光周遊バス「老舗記念館」バス停下車すぐ
〒920-0981 石川県金沢市片町2丁目10-17 MAP