江戸幕府老中・大久保忠朝の屋敷内に小田原の庭師により作庭された、山手線駅から至近の大名庭園。国指定名勝。
旧芝離宮恩賜庭園について
「旧芝離宮恩賜庭園」(きゅうしばりきゅうおんしていえん)は江戸時代初期に老中・大久保忠朝の屋敷内に作庭された築山泉水式の大名庭園で、東京・江戸を代表する大名庭園の一つ。国指定名勝となっており同じく海沿いの大名庭園『浜離宮恩賜庭園』の中の御門からも歩いて10分程の距離。
江戸幕府4代将軍・徳川家綱、5代将軍・徳川綱吉を老中として支えた大久保忠朝は佐賀の唐津藩・下総の佐倉藩・小田原藩の藩主を歴任。芝離宮の起源である大名庭園“楽寿園”は4代将軍・家綱から拝領した庭園をベースに、大久保家の領地である小田原から庭師をより築庭されたとされています。
その後、幕末には紀州徳川家の江戸屋敷、明治に有栖川宮家の所有となり“芝離宮”に。大正時代に東京都(東京市)の所有となり公開を開始。
大名庭園らしい大規模な池泉回遊式庭園である芝離宮庭園の特徴は意外と石組にあります。護岸や蓬莱山を表した中ノ島、そして庭園の奥側にあるゆるい築山付近の石組みなど。庭師と同様、領地であった小田原から根府川石を多く運んで造られたものとされます。
また海岸線が近いことから以前は浜離宮と同様、海水を引きこんだ「汐入式」の庭園だったそう。また植栽はサツキが点在しているので、晩春~初夏は花が咲いてきれい!その頃に色づく芝生の緑のコントラストがまた良い…ってことで2019年はサツキの花の見頃の時期に訪れました。その際の写真を更新。
周辺はJRや東京モノレールの浜松町駅が隣接していることや大きなビルが立ち並ぶなど作庭当時からはコンパクトになっているようですが(そして借景の気持ち良さは失われているにせよ)、浜松町駅から徒歩3分というのは都内の名勝庭園の中では屈指のアクセスの良さ。ちなみに浜松町駅から庭園入口とは逆側へ進んだコンコースからも庭園を一望することができます。
2018年の秋に初めて夜間公開&ライトアップ『芝離宮夜会』が開催されました。その時の写真は↓から!なお2019年夏にも再度ライトアップの開催が決定。タイトルは『江戸夏夜会~旧芝離宮恩賜庭園~』。詳しくは公式サイトをご覧ください。
(2013年6月、2014年2月、2016年11月、2019年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)