
近代の名匠ジョサイア・コンドル設計による、現存する中で東京を代表する洋館。庭園を手掛けたのは京都の八代目小川治兵衛・小川白楊?
旧岩崎邸庭園について
上野公園不忍池の程近くにある「旧岩崎邸庭園」(きゅういわさきていていえん)は三菱財閥創業者・岩崎家の本邸であった洋館・和館の前に広がる庭園。
現在残る邸宅は明治時代、三菱財閥三代目・岩崎久弥の時代に建てられたもので、なんといっても目を引く洋館はジョサイア・コンドルの設計によるもので国指定重要文化財となっています。
庭園は江戸時代末期には越後高田藩の江戸屋敷に付随する大名庭園があったとされ、庭園奥の木々の下にそれらしき面影が残っていますが、明治・大正に建物が造られた際に現在のような芝庭に作り替えられたとのこと。
またパンフレットには書いていなかったので作庭者はよく知らなかったけれど――近代京都を代表する造園家・小川治兵衛(植治)の現ご当主のウェブサイトによると、八代目小川治兵衛・小川白楊の実績に『岩崎久弥邸』とある。
北区の『旧古河庭園』がジョサイア・コンドルと七代目小川治兵衛のタッグであり、また麻布の『国際文化会館庭園(旧岩崎邸庭園)』を七代目小川治兵衛が手掛けた、という関係性から言うとこのお庭も小川治兵衛(植治)が担当した、という可能性は十分あるのかな…。
都内ではこちらや先述の港区・国際文化会館庭園のほか、江東区・清澄庭園、国分寺・殿ヶ谷戸庭園などが岩崎家の旧宅の庭園といったルーツを持つ庭園です。
(2015年10月、2017年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス / Access
東京メトロ千代田線 湯島駅より徒歩6分
東京メトロ銀座線 上野広小路駅より徒歩10分
JR山手線・京浜東北線 御徒町駅より徒歩15分