教林坊庭園

Kyorinbo Temple Garden, Omihachiman, Shiga

滋賀の紅葉の名所…聖徳太子の開創と伝わる古刹の、桃山時代に小堀遠州が手掛けた庭園。秋にはライトアップも。

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教林坊庭園について

【期間限定公開】
「教林坊」(きょうりんぼう)は滋賀県の近江八幡市・安土にある紅葉の名所として有名な寺院。近江八幡市指定名勝の回遊式庭園は桃山時代に小堀遠州により作庭されたものと伝わります。例年、春の土日祝日と秋に期間限定で公開。秋には紅葉ライトアップも。
2016年に初めて訪れ、2020年に再訪。ライトアップの写真を追加しました…が、今回は紅葉のピークというわけにはいきませんでした。

最寄り駅は安土駅。駅から琵琶湖方面へ向かうと織田信長の築城した城郭の跡、特別史跡“安土城跡”がありますが、この庭園は駅からは南東部、繖山(きぬがさやま)の麓に位置します。
創建は飛鳥時代の605年(推古天皇13年)と古く、繖山に聖徳太子によって創建された『観音正寺』の塔頭寺院の一つとして教林坊も開かれました。そのため教林坊の御本尊の石仏“赤川観音”は聖徳太子作と伝わります。“太子の説法岩”という巨石も残るなど、“石の寺”とも呼ばれます。

戦国時代には繖山に佐々木六角氏が居城・観音寺城をかまえ、後に織田信長に敗れた六角義賢・義治父子が退却する際の騒乱により焼失しますが、1585年(天正13年)に再興。茅葺きの山門・書院(庫裏)はその後の江戸時代に再建されたもので、いずれも近江八幡市指定有形文化財。

庭園は順路の最後。書院に面した池泉鑑賞式庭園は斜面に多数の岩によって鶴島・亀島などが表現された“遠州庭園”。小堀遠州によって慶長年代に作庭されたと伝わり、石に付着した苔が歴史の奥行きを感じさせます。書院内から眺める“掛軸庭園”という呼び名も。
順路で言うと遠州庭園の手前、晩秋には真っ赤な“敷紅葉”が味わえる場所はそれより一足先の室町時代末期に造られた“普陀落の庭”

昭和の作家・白洲正子は複数回この教林坊に訪れたそうで、自らの著書で『かくれ里 石の寺』で以下のように紹介しました。

~ここで私の興味をひいたのは、慶長時代の石庭で、いきなり山へつづく急勾配に作ってあり~日本の造園の生い立ちといったようなものを見せられたような気がする~

ライトアップは庭園背後の竹林も青白くライトアップされ美しかった。次回はピークの頃に訪れたいなー!

(2016年12月、2020年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR東海道本線 安土駅より約4km(駅前にレンタサイクルあり)
※公共交通機関は無い模様。安土駅前はタクシーもあり。

〒521-1331 滋賀県近江八幡市安土町石寺1145 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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