江戸時代には杜若の名所として知られ徳川家康、吉宗、勝海舟らが好んだ古刹。徳川家光お手植えの“登美の松”も。
木下川薬師 浄光寺について
「木下川薬師」(きねがわやくし)の愛称で知られる葛飾区の寺院「青龍山 薬王院 浄光寺」は平安時代の849年に創建された江戸の古刹。境内には江戸幕府三代目将軍・徳川家光のお手植えによる“登美の松”があります。命名は八代目将軍・徳川吉宗。そしてその名の碑は勝海舟により書かれたもの。
2019年6月、葛飾の『堀切菖蒲園』へ行く道中に初めて訪れました。立派な庭園があるわけではないけど、こんな由緒あるお寺があるなんて知らなかったので紹介。
平安時代のはじめ、最澄が自ら彫刻した薬師如来像を東国に帰る僧に託しました。その後下総国木下川の草庵に安置され、そしてその存在を知った慈覚大師円仁が弟子に命じ浄光寺を建立。
時が流れ江戸時代に徳川家康により浅草寺の末寺筆頭という寺格に。それ以来徳川将軍家に庇護され、祈願所や徳川吉宗の時代には鷹狩の御膳所(食事場所)に。幕末には勝海舟も厚く信仰し、明治時代に戦死した西郷隆盛を偲んで西郷の留魂祠を設置。なおこの碑は現在は『勝海舟記念館』のある大田区の洗足池公園に移築されています。
大正時代に元の位置から600m程離れた現在地に境内を移転。なので現在建つ釈迦堂・仁王門・薬師堂などは現代に入ってから再建されたものですが、仁王門内の木造金剛力士像は江戸時代初期の1663年(寛文3年)に浄光寺僧侶・忠辨と名主の大塚六右衛門の依頼で京都七条の仏師・五代目兵部藤芳により造られたもので葛飾区指定文化財。その他にも多くの区指定文化財の仏像を所蔵。
境内にはこじんまりながら池泉式の日本庭園があります。浄光寺は江戸時代には杜若の名所として知られたそうで、現在の庭園でもカキツバタを植え育てているそう。訪れた時には“登美の松”のまわりのサツキも花を咲かせてきれいだった!晩春〜初夏の東京散歩に。
(2019年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京成押上線 四ツ木駅より徒歩11分
JR総武本線 新小岩駅より徒歩30分
JR新小岩駅・市川駅から路線バス「木下川薬師」バス停下車 徒歩2分
〒124-0014 東京都葛飾区東四つ木1丁目5-9 MAP