貴船神社石庭“天津磐境”

Kifune Shrine Garden, Kyoto

紅葉の名所として有名な京都有数の神社に残る、重森三玲作庭の石庭“天津磐境”。造園家・久保篤三さん奉納の舟石も。

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貴船石庭について

「貴船神社」(きふねじんじゃ)は飛鳥時代以前からの歴史をほこる、京都有数の古神社。本宮の境内に重森三玲の作庭した石庭“天津磐境”があります。

2020年のGW。自宅から自転車で行ける範囲で、あまり人が居ない・自然を感じられる場所へ行こうと。
の作品があるとは以前から認識していた貴船神社。市街地から300m程度登るのであんまし自転車では行きたくなかったんだけど…今回はむしろサイクリング目的で。初めての貴船の川沿いの川床の風景はもちろん、鞍馬街道の道のりも楽しかった。

として有名な貴船神社。創建年代は不明で史料に初めて名前が登場するのは平安時代の初めですが、社伝では天智天皇の時代に社殿を建て替えたという歴史が伝わっているそう。淀川〜鴨川の上流に貴船神社の傍を流れる貴船川があることから水の神様・雨の神様がまつられており、全国に約500ある貴船神社の総本社でもある。自分の地元にも貴布祢神社があったなあ。
ちなみに縁結びの神社としても有名なのだそう(だから少ないながら他に居る人、夫婦っぽい人やカップルが多かったのか…。)

境内は本宮・結社(中宮)・奥宮の3つに分かれていて、よく写真で見る参道の階段は本宮のもの。元は一番奥の「奥宮」に社殿が建っていたそうですが、平安時代の中頃には現在の本宮の場所に移転。現在の社殿は本宮は2005年に竣工、結社や奥宮も2012年に建て替えられたものと比較的新しく、文化財指定としては「貴布祢神社境内」として京都市指定史跡になっています。

本宮の境内一角に、重森三玲により1965年(昭和40年)に作庭された石庭“天津磐境”(あまついわさか)があります。その名の通り、庭園というよりは『神が宿る列石』という感じなので、いつもの重森三玲っぽさを期待するとちょっと違うかも。ちなみに磐座・磐境について単体で取り上げるの初めてな気がするのでWikipediaを見ていただいて。

禅の庭ではないので砂紋も無いし(※神社の庭園でもあるところにはあるけど。『住吉神社 住之江の庭』とか)、重森好みの青石ではなく貴船川から産出される貴船石が全て用いられている点もわかりやすく違う点。それでも石の立て方からは“らしさ”を感じるし、この列石が実は船の形を表していて、ド中央にある一見邪魔な椿の木がマストを表しているのだそう。なるほどなあ。
同年に手掛けた長野『北野美術館庭園』との違いが面白い一方、やはり同年の『望洲楼』は類似性を感じます。

結社の境内には“天乃磐船”という大きな舟石が鎮座しています。これは貴船の山奥より産出され、京都市の「久保造園」久保篤三さんにより奉納されたもの。貴船川沿いのサイクリングは川石を見ながらの風景も良かったんだよな〜。
久保造園さん。名前初めて書いたけど、過去行った場所だと『正伝永源院』や金沢の『辻家庭園』にも入られているみたいだし作庭されている庭園もかっこいいものが多い…また行きたい場所増えた!

(2020年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

叡山電鉄鞍馬線 貴船口駅より路線バス「貴船」バス停下車 徒歩5分
貴船口駅より約2km(駅から上り坂を徒歩30分弱)

〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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