上田宗箇作庭と伝わる桃山時代の池泉回遊式庭園。岩壁・築山が圧倒的スケールの大きさを憶える隠れた名庭園。
桂国寺庭園について
「桂國寺」(けいこくじ)は室町時代に開かれたとされる永平寺系の寺院。戦国時代に長宗我部氏に攻め込まれて焼失したのち、安土桃山期に阿波徳島藩主・蜂須賀家政によって再建。なおその時代に建てられた本堂・書院等の建物は老朽化のため昭和の後期に現在のものに建て替えられたそう。
本堂・書院裏の池泉回遊式庭園(鑑賞式?)は桃山時代に蜂須賀家に仕え、「徳島城表御殿庭園」も手掛けた上田宗箇による作庭とされます。…参考になる資料・文献が12枚目の写真の説明文ぐらいしかないのでそれぐらいしか書けないのですが、とにかくその岩壁に圧倒される素晴らしい庭園でした!!
徳島は「阿波の青石」が印象的な庭園ばかりですが、その中でも山の斜面の岩壁を活かした庭園という意味では徳島市の「観音寺庭園」に近い作風でしょうか。1枚目の写真で伝わるかわからないのですが、その岩壁の築山はかなり高低差がある(そのような視点を楽しむことが想定されているかは不明…)。池泉の隅の方に中の島があるのも「この庭園はどのポイントから観るのが正解なんだろう?」と考えさせられるところ。
その築山・石組の高低差と迫力、左右の奥行きの広さから、実際の面積の割にとてもスケールが大きく感じる…これ程の庭園が「阿南市指定名勝」としか言えないのがむず痒い(笑)。アクセスが良くなく行くか迷ったのですが、本当に行ってよかった。2019年前半見た中ではNo.1!
※自分は拝観前にお電話し、訪れた際もご住職に一声お掛けしましたが、受付や仕切がないので拝観は自由に可能そうです。
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阿南駅にはレンタサイクルもなく、路線バスの本数も少ないので、片道のみ徒歩を選択しました。下記の地図で案内されているような最短距離の道を進んだのですが――途中、結構ひと気がなく狭い道が続く(途中、お寺までの案内板があったので古くからの参道なんだとは思う)。正直不気味だったので「いざとなったら走れる人」以外にはオススメできないかも(笑)。せめて桑野川の北側の川沿いならまだ明るいかな…。
(2019年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR阿波室戸シーサイドライン 阿南駅より約4km(徒歩45分。但し最短距離は人の気の無い細い道なので非推奨…)
阿南駅より路線バス「本庄」バス停下車 徒歩15分(1日3本。詳しくは徳島バス阿南の時刻表を。⇒こちら)
〒774-0046 徳島県阿南市長生町寺ノ前34 MAP