川口市母子福祉センター庭園Kawaguchi City Boshi Fukushi Center Garden, Saitama

モザイクタイルやガラス、数寄屋風など和洋の意匠が美しい建造物と、川口市指定名勝“旧鋳物問屋鍋平別邸庭園”。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

旧鋳物問屋鍋平別邸庭園について

「川口市母子・父子福祉センター」(かわぐちしぼしふしふくしセンター)は社会福祉法人川口市社会福祉事業団が運営している、家庭や子育てに関する川口市民向けの相談施設。
…なのですが、ここでは国登録有形文化財の建造物と川口市指定名勝となっている庭園を紹介します。窓口で申し出れば見学が可能、自分が訪れた日も他にも見学者がいらっしゃいました。月曜日と祝日はお休み。

国指定重要文化財の洋館『旧田中家住宅』とともに「川口市にこんな場所あったんだ!?」という場所の一つで、関東にいる間に行っておきたかった場所の一つ。関東にいる間で最後に埼玉スタジアムへ行った2019年9月に立ち寄りました。そのレトロな内装、すごく良いので埼玉の隠れた穴場観光スポットとして知られてほしい〜。なお旧田中家までは徒歩20分程。

登録有形文化財としての指定名は「川口市母子福祉センター(旧鋳物問屋鍋平別邸)」。その名の通り、鋳物問屋「鍋平」を経営していた嶋崎家の別邸として建造されたもの。主屋が明治時代に建てられた数寄屋風建築、離れと蔵が昭和の初期に建てられたもの。

玄関や庭園からの外観はとても普通な昭和時代の民家という印象を受けるのですが、建物内が本当に凝ってて!主屋〜離れの廊下、ベネチアガラスやモザイクタイル・亀甲模様などの意匠が素晴らしいし、“離れ”の中の欄間の彫刻や銘木を用いた柱など、和洋問わない演出。これは4代目・嶋崎平五郎が西洋文化から強く影響を受けたことから和洋折衷の家屋になったものだそう。

唯一の川口市指定名勝の庭園(指定名は“旧鋳物問屋鍋平別邸庭園”)は1941年(昭和16年)に建物の後に作庭されたもの。現在は芝生広場の方が開けているので、なんとなくそちらがメインの空間っぽくなってしまっている(庭園中央の四阿も後から建てたものな気がする…)けど、この庭園の豪勢さが感じられるのは主屋の前のクロボク(溶岩石)を多用した築山と深い庭池。

解説(写真17枚目)によると、主屋と離れの廊下の下の水が溜まっている部分もかつては池泉回遊式庭園の一部(クロボクの石積みが見られるのはその名残)。また主木は四阿の前に位置する五葉松(その足元もたしかに亀島のような石組になっている)。そう思うとかなり改変されていて――
先の嶋崎平五郎の逝去後、嶋崎家のものになるのではなくすぐに市に寄贈され母子福祉センターとしての歴史を歩み始めたので、運営の中で憩いの場としてお庭が改変されていった背景があるのだと思う。一度往時の写真も見てみたいなあ。

訪れたのが9月で草木が生い茂っているタイミングで、その庭石の多さが写真から伝わってこないので(笑)また埼玉スタジアム行く機会に訪れたいな。廊下の外観の網代編、これも当時のこだわりが感じられる部分。荒れた姿を嘆くだけでなく、見学は無料でも募金箱があれば少しでも募金を。

(2019年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR京浜東北線 川口駅より徒歩12分
埼玉高速鉄道 川口元郷駅より徒歩15分弱

〒332-0014 埼玉県川口市金山町15-2 MAP