旧柏原銀行庭園

Kyu-Kashiwabara Bank's Garden, Maibara, Shiga

米原・大垣間でぶらり途中下車――中山道六十九次の宿場町「柏原宿」に残る明治時代以前の町家と池泉式庭園。

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旧柏原銀行庭園について

「旧柏原銀行」(きゅうかしわばらぎんこう)は、中山道六十九次の中山道67宿のうち江戸から60番目の宿場である「柏原宿」に残る町家・商家建築で、現在は柏原地域の交流施設「米原市柏原福祉交流センター」となっています。「柏原宿歴史館」からは歩いて3分。

個人的にも各地の庭園めぐりに書かせない「青春18きっぷ」。
大垣ダッシュ・米原ダッシュという言葉もあるように退屈な区間となりがちな大垣〜米原間ですが、「柏原駅」には歩いて5分程の場所に中山道柏原宿の古い町並みが残されています。長さが約1.5kmもあり、これは美濃・近江の中では最も大きい宿場町であったとのこと。宿場町の中には江戸幕府三代将軍・徳川家光が上洛する時に使用した御殿跡や、近江国と美濃国の国境も。

「柏原銀行」は江戸時代には柏原宿の名物である「もぐさ屋」を開いていた山根為蔵家が、家筋の旅籠屋・呉服屋など五軒に働きかけ明治時代に創立した銀行。その後、昭和初期に滋賀銀行に合併するまでの間に米原・醒ヶ井・近江長岡や岐阜県内にも支店出張所を開くなど発展。
この町家の建築年代は不明とされていますが、明治時代に銀行を創立した際に元々あった住居を利用したということから、明治時代以前(もしかしたら江戸時代?)の建物ということになるかと思います。

その後自治体の所有となり、近年リノベーションされ現在は街の交流・福祉施設として開かれています。受付をすれば建物内も見学させていただけました。過去の写真を見る限りその池泉式庭園も昔からあるもののようで(建物同様近年整備されたので現在はきれい)、毎年夏に行われる「中山道柏原宿やいと祭」では庭園ライトアップも行われているみたい。地味な庭園ではあるけど、借景に取り込んでいる雲仙山?が非常に良いので侮れない。

また柏原宿の街並みから徒歩15分程の場所に、戦国大名・京極氏の菩提寺であり小堀遠州作庭と伝わる庭園が残る「清滝山徳源院」があります。
混雑する大垣〜米原間に飽きてしまったら、たまには途中下車して古き良き景色に癒やされるのもいいかも――?

(2018年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR東海道本線 柏原駅より徒歩9分

〒521-0202 滋賀県米原市柏原2202 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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