隣接する毛越寺庭園と同様に平安時代末に作庭され、世界遺産となった奥州藤原家ゆかりの浄土式庭園。
旧観自在王院庭園について
「観自在王院跡庭園」(かんじざいおういんあとていえん)は隣接する『毛越寺庭園』と同様に平安時代末に作庭された浄土式庭園で、世界遺産『平泉 ―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―』に構成。「旧観自在王院庭園」として国指定名勝、国の特別史跡となっています。
「観自在王院」は平安時代の末期、奥州藤原氏の二代目・藤原基衡の妻が自らの居宅を寺院として創建。奥州藤原氏の滅亡後も寺院としては存続したそうですが、戦国時代の1573年に焼失。その後江戸時代には水田として利用されていたそうですが、昭和年代に発掘調査・整備され、現在は史跡公園に。
寺院が建立された平安時代末期に作庭されたと推測されている浄土式庭園は、幅約90メートルのほぼ正方形という『毛越寺』に負けず劣らず大きい池泉“舞鶴が池”を中心とした庭園。池の中央南寄りに中の島が見られるほか、奈良〜平安〜鎌倉時代によく見られる曲線的な池の形であり、池の毛越寺寄りの場所には遣水や滝石組も。この庭園の池泉の水源は毛越寺境内にある「弁天池」から引かれているそう。
2019年のGWに5年ぶりに訪れましたが、ちょうど池の畔の枝垂れ桜が満開だった!世界遺産と言っても受付入口のある毛越寺や中尊寺、達谷窟などと異なり自由に出入り出来る広場…という感じなので最初平泉を訪れた時はスルーしてしまっていたのだけれど、国内でも数少ない貴重な平安時代の庭園です。
(2011年9月、2014年9月、2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)