上時国氏庭園Kami-Tokikuni House Garden, Wajima, Ishikawa

大納言・平時忠を祖とする平家の末裔の豪農屋敷。加賀藩主も訪れた書院から眺める庭園は国指定名勝。

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上時国氏庭園・上時国家住宅について

「上時国家」(かみときくにけ)は平安時代末期、源平合戦で敗れ能登に流された大納言・平時忠を祖として約800年続く旧家。江戸時代にはこの地で大庄屋をつとめる豪農となり、江戸時代後期に建てられた主屋・米蔵・納屋が「上時国家住宅」として国指定重要文化財。庭園が国指定名勝となっています。

2020年10月、約6年半ぶりに能登半島・輪島へ。前回と同じく輪島駅(道の駅)でレンタサイクルして、能登半島の北部の海岸線に沿った国指定名勝・庭園を巡りました。
2つの国指定名勝庭園『時国家』『上時国家』があるこのエリアは輪島の街中から約20km。自分の行動の都合上レンタサイクルでヒイヒイ言いながら行ったけど、オススメはしません(一応ちゃんと路線バスもあります)。

平時忠と言えば“平家にあらずんば人にあらず”の言葉を残した人。壇ノ浦の戦いで平家は滅亡——したけれど、平清盛の血は途絶えても(?)平時忠の系統は20数代と続いて現代に至っています。なお『時国家』より南にあるこちらが『上時国家』と呼ばれる理由は、位の話ではなく「付近を流れる町野川の上流に位置したから」なんだそう。

全国に残る豪農屋敷でもひときわ高い茅葺屋根と唐破風の玄関が特徴的。「近世の木造民家で最大級の大きさ」…明治・大正に造られた屋敷でもっと大きいものはあると思うんだけど、江戸時代のものでは確かに最大規模かも。

玄関入って右手にある書院“大納言の間”は格天井…しかもそれもただの格天井じゃない、“縁金折上格天井”。加賀藩主・前田家(誰かは不明)が訪れた際には「余は中納言だから…」と天井を隠して入室したというエピソードも。
そんな格式の高い部屋もありつつ、あくまで庄屋なので広い土間があったりするのが面白い。邸内の各所で見られる精巧な欄間は、加賀藩の名工と言われた武田友月一派によるものと推測されています。

書院をぐるりと囲んで国指定名勝の庭園があります。背後の山の斜面を活かしつつ、そこからの湧水による心字池を中心とした池泉鑑賞式庭園。なんとなく細長く続くその池泉が独特で、その姿は“鎌倉時代の様式”と説明されているけど、作庭されたのは現在の屋敷が建造された江戸時代末期の1831年頃。

ストライプのような模様が入った奇石がいくつも見られるけど、この集落の海沿いにある『曽々木海岸』(こちらも国指定名勝。後日紹介)にそんな感じの岩がゴロゴロしてて。そこから運んだりしたものなのかなと気になった。
あくまで貴族ではなく豪農としてだけど、“平家ゆかりの庭園”が残り続けているのは嬉しい限り。

(2014年5月、2020年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

輪島駅前「道の駅 ふらっと訪夢」より路線バス「上時国」バス停下車 徒歩3分
輪島駅前より約20km(電動レンタサイクルあり)

〒928-0204 石川県輪島市町野町13-4 MAP

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