
2022年に国重要文化財となった巨匠・丹下健三の初期代表作と言われるモダニズム建築。イサム・ノグチに影響を与えた?モダンな庭園“南庭”も丹下研究室のデザイン/作庭。
香川県庁舎庭園について
「香川県庁舎」(かがわけんちょうしゃ)は香川県高松市にある香川県の庁舎。その「東館」は昭和の日本を代表する建築家・丹下健三の初期の代表作と言われるモダニズム建築で、2022年に「香川県庁舎旧本館及び東館」の指定名で国の重要文化財に指定。その建物の足元に広がる近現代風な日本庭園「南庭」の作庭(デザイン)も丹下研究室によるもので、庭園の太鼓橋や石造物も附指定されています。
2013年に初めて訪れて以来何度も訪れていますが、直近訪れた際の写真を追加して更新。
JR高松駅からは南へ徒歩で約20分、高松市の繁華街の西側に位置する香川県庁。1958年(昭和33年)に完成(竣工)した現在の東館(旧本館及び東館)は“DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築”の最初の20件に選定された、日本の“モダン建築”を代表する作品の一つ。建設省(国土交通省)の公共建築百選にも選定。
建築に関する解説は、公式サイトや関連リンクの《丹下健三生誕100周年プロジェクト 神谷宏治・藤森照信・林幸稔講演会「建築のみらい」》の座談会など、建築の専門家のテキストが数多くあるので省略――少しだけ書くとすれば、現代にかけて流行する“コンクリート打ちっぱなし”の公共・庁舎建築の走りでもある一方で、その直線的なベランダの連なるファザードが日本の伝統的木造建築のデザインを取り入れられている点が特に優れている――と言われます。
そんな“名建築”の庭園について、ここではフォーカス。L字型の配置となっている現在の東館、その前に広がる広場と池庭。こちらも建築と同時に作られた空間で、作庭を手がけたのは丹下研究室(当時)の現場担当者だった神谷宏治さん(情報提供:建築家・林幸稔さん)。
旧本館の手前と奥と二つ池泉があり、手前の池泉には「附」で国指定重要文化財に含まれている太鼓橋が架かる。建物側からお庭を眺めると、右手側にはお庭の築山越しに高松がほこる大名庭園『栗林公園』の一部でもある紫雲山が借景として眺められます(この築山を含め、新庁舎(現在の本館)を増築される際に一部改修されているそう)。二つの池泉にはそれぞれ自然石による石組が。特に手前の池泉は地元で産出される庵治石の巨石の石組が見どころ!(太鼓橋と同じく「附」に含まれる石灯籠3基はこれらの石組を指す?)
作庭者の神谷さんも参加された《丹下健三生誕100周年プロジェクト》座談会でより詳しく語られていますが、その中で語られているキーワードは《縄文的なもの(要素)》。パッと見は伝統的な純和風庭園ではないかもしれませんが、モダンな空間の中に日本の伝統的なエッセンスが取り入れられているこのお庭、昭和時代を代表する日本庭園研究家・森蘊も『香川県庁舎庭園』として自らの著書で絶賛。また先の座談会では高松にも拠点を構えたイサム・ノグチが影響を受けたお庭では――?とも推察されています/同じく丹下健三建築の『旧香川県立体育館』の石庭を手がけた石彫家・和泉正敏さんもこの県庁舎の庭石に影響を受けたとビジネス香川の記事で語っています)
1階ロビーには地元香川県出身の画家・猪熊弦一郎(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館“MIMOCA”も人気)による壁画『和敬清寂』があるほか、更には当時の代表的なインテリアデザイナー・剣持勇も内装に携わっていました。香川県もこの建築の保存・活用にはだいぶ前向きであり、館内のガイドツアー等も行われています。参加された際は名建築を彩る庭園にも注目してみて!
(2013年11月、2019年8月、2021年1月、2024年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR高松駅より徒歩20分
琴電琴平線 瓦町駅より徒歩12分
高松駅より路線バス「県庁・日赤前」バス停下車 徒歩3分
〒760-8570 香川県高松市番町4丁目1-10 MAP
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