水墨画家・雪舟の手掛けた庭園の代表作と言える池泉回遊式庭園。国指定名勝。重森三玲の手掛けた枯山水庭園“南溟庭”も。
常栄寺庭園“雪舟庭”“南溟庭”について
「常栄寺」(じょうえいじ)は山口市の中心部の東方に残る、戦国大名・大内氏ゆかりの寺院。本堂の裏にある主庭園は水墨画が有名な室町時代の日本画家・雪舟の作庭と伝わり、通称“雪舟庭”と呼ばれています。国指定名勝。雪舟の手掛けた庭園の代表作…と言っても良いのではないかと!
現在「常栄寺」がある場所には室町時代には周防国を治めた戦国大名・大内政弘の別邸があったとされ、その大内政弘が雪舟に依頼して築造したのがこの庭園。
大内はこの場所に「妙喜寺」というお寺を建立。その後江戸時代に長州を治めた毛利氏が、元は安芸(広島)に創建した「常栄寺」をこの地に移転させ、元からあった庭園も現在は“常栄寺庭園”…と呼ばれる形になりました。
池泉回遊式庭園“雪舟庭”の特徴は本堂から眺めた際の奥行きの広さ、手前の芝生に埋め込まれた石組みと、池泉の中でもポイントとして引き立てられている石組、そして滝石組。前回(2016年8月)に訪れた際は晴れすぎて影で見えづらかったのですが、今回(2018年7月)は奥行きや石組がはっきり見えて、素晴らしさを満喫。
また本堂の前(雪舟庭の逆向き)にある枯山水庭園“南溟庭”は昭和を代表する作庭家・重森三玲が手掛けた作品で、重森三玲さんらしい、海をイメージした白砂と苔の築山による庭園。こちらも素晴らしいお庭なのですが、当初は「雪舟庭が引き立つように、下手に造ってほしい」とオーダーされ困惑したエピソードは有名……かはわかりませんが、なかなかインパクトのある話。
また境内に入ってすぐの枯山水庭園は「無隠」と言い、こちらは平成年代に入ってから作られたものだそうです。楼門の右手側にある宝物庫?前の枯山水もなかなか良いです。
(2014年4月、2016年8月、2018年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス / Access
JR山口線 宮野駅より徒歩20分
山陽新幹線 新山口駅から防長バス山口方面行き「雪舟庭入口」バス停下車 徒歩約10分
JR山口駅より約3.5km(駅前にレンタサイクルあり)
〒753-0011 山口県山口市宮野下2001-1 MAP