実相院庭園

Jisso-in Temple Garden, Kyoto

皇室ゆかりの門跡寺院に残る池泉庭園と、植治12代目・小川勝章氏監修で市民参加で作庭した庭園“こころのお庭”。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

実相院門跡庭園について

「実相院門跡」(じっそういんもんぜき)は鎌倉時代に創建された、皇室ゆかりの門跡寺院。床もみじが人気の池泉鑑賞式庭園と、『御庭植治』小川勝章さん監修により市民参加で作庭された“こころのお庭”があります。
初めて訪れた2019年3月に続き、11月の紅葉の季節に再訪しました!

実相院は室町時代に応仁の乱を避けて現在地に移転。当初より門跡寺院とされていたそうですが、中でも江戸時代に後西天皇の皇子・義延親王が入寺した以降は皇室ゆかりの人物が住職を務められました。その格式の高さから「岩倉門跡」「岩倉御殿」とも呼ばれたそう。
義周法親王が入寺した際には京都御所内の大宮御所から承秋門院御所の一部が下賜され、「実相院客殿」「実相院門」として国登録有形文化財となっています。そのほか、室町幕府15代目将軍、足利義昭の孫・義尊も江戸時代初期に門跡を務め、実相院の中興に貢献しました。

庭園は2箇所あります。まずは「床もみじ」が人気・美しいと言われる池泉鑑賞式庭園の“山水庭園”。建物内からの撮影は不可なので、床に反射した庭園の姿は写真ではお伝えできませんが――苔の美しい庭園とこの客殿の建築を楽しめる庭園(作庭年代などの情報が無い…)。
そして比叡山の借景が絶景な石庭“こころのお庭”は2013〜2014年に市民参加によって作庭された庭園で、植治の12代目(現在は独立して『御庭植治』を設立)の小川勝章さんにより監修されました。本格的な枯山水庭園の中に、波を表したという3つの木製のオブジェが配置されているところは新たな表現の可能性を感じさせる――市民参加という背景も含め、枯山水の中でもポップというか…親しみやすさ・穏やかさがあります。

京都市街地と比べて高台にある岩倉地域は気温も低く。玄関前の“御車寄の一本桜”も、こころのお庭の下手側にある枝垂れ桜も3月末の段階ではまだ花が見られなかったのですが――いずれも開花後の写真を見るとより建築・庭園が美しく見える。紅葉も良かったけどいつか桜が開花する時期にも訪れたい!
また近隣には幕末に岩倉具視が過ごした『岩倉具視幽棲旧居』がありますが、岩倉具視は実相院にも一時期滞在していたそう。京都の中心部からは離れている分、落ち着いて見られる2つのお庭。チルアウトな京都観光にオススメ!

(2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

叡山電鉄鞍馬線 岩倉駅より徒歩15分
最寄バス停は「岩倉実相院」バス停 下車すぐ

〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町121 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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