いわき回廊美術館

Snake Museum of Contemporary Art (SMoCA), Iwaki, Fukushima

東日本大震災後に世界的現代芸術家・蔡國強がデザインし、いわきの人々により開かれた屋外美術館と、未来へ残したいツリーブランコの眺めと桜の名所。

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いわき回廊美術館(SMoCA)について

「いわき回廊美術館」は世界的に有名な現代芸術家・(ツァイ・グオチャン)によってデザインが手掛けられ、2013年にオープンした屋外美術館。

“アートの島”直島のベネッセ・アートサイトの作品『文化大混浴』をはじめとして、日本でも作品を見る機会が多い蔡國強。ヴェネチア・ビエンナーレを始めとする世界的な芸術賞も受賞し、北京オリンピック開会式でのアート・ディレクターを務めている氏ですが、かつていわき市に滞在し、いわき市立美術館では個展が開催されたことも。

そんな縁から、東日本大震災及び東京電力福島第1原発事故の後にはじまった《いわき万本桜プロジェクト》との共同プロジェクトで手掛けられたのがこの野外美術館。

空に登っていく龍をイメージした――という回廊が特徴的なこの美術館の別名は『Snake Museum of Contemporary Art(SMoCA)』(スモカ)。回廊には地元のアーティストや学生の作品が展示されており――アート作品と言うべきかわからない作品も、そこに込められたメッセージはエモいものを感じてしまう。

そして回廊を登った先の頂上にあるのが、ふもとの田園を一望できるツリーブランコ。思わず飛び出したくなるロケーション――ですが、ほんとうに割と危険なため注意書きがあります。
同じく頂上にあるのが蔡国強の現代アート作品『龍骨(廃船)』。元は1990年代、いわき市立美術館での個展で展示されていたといういわきにゆかりある作品で、20年の時を経てこの回廊美術館に移築されました。

ちなみに回廊美術館の開かれたこの小山には鎌倉時代〜戦国時代の中世にかけては『座主館(神谷館)』という城郭が築かれていたそう。現在この一帯には桜9万9千本の植樹を目指して活動が進められています。
この時は秋の訪問だったのであまり見頃な花はなかったけど、春には桜や菜の花も美しい!“庭園”ではないけれど、後世に、そしてより多くの人に知ってほしい福島の新たな代表的ランドスケープ。

(2016年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR常磐線 草野駅より徒歩30分
いわき駅より路線バス「中神谷」バス停より徒歩12分、「いわき支援学校」バス停より徒歩約15分

〒970-8021 福島県いわき市平中神谷地曾作7 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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