親鸞聖人が約20年暮らした“浄土真宗発祥の地”。鎌倉・室町期より残る茅葺の山門や、本堂横の庭園も見所。
西念寺(稲田御坊)について
「稲田山 西念寺」(さいねんじ)は浄土真宗の宗祖・親鸞聖人が東国での布教の際に約20年暮らした“稲田の草庵”をルーツとする寺院で、浄土真宗の別格本山。浄土真宗発祥の地とも言われます。通称“稲田御坊”、“稲田禅坊”。
2019年の晩夏に9年ぶりに訪れた茨城県笠間市。目的は『春風萬里荘』とお隣・石岡市の『大覚寺庭園』。庭園目的で訪れた大覚寺が“親鸞聖人法難の遺跡”と呼ばれた親鸞ゆかりの寺院でしたが、拠点だったのはこの稲田御坊。
…この旅では事前に認識していたわけではないのだけど、街道沿いの大きな寺院だったので立ち寄ってみました。なお門前にある『林照寺』も鎌倉時代に開かれた浄土真宗の単立寺院。茅葺きの本堂が良い感じ。
親鸞は晩年には京に戻りましたが、妻・恵信尼はこの稲田草庵に残り数十年過ごしたという説も。寺院となったのは1304年頃。西念寺という寺名は執権・北条家に仕えた宇都宮泰綱による命名。
茅葺きの山門は鎌倉〜室町時代の建立とされますが、立派な本堂は明治期の焼失により平成年代(1995年)に再建されたもの。親鸞が草庵の庭に種を植えたという樹齢800年の“お葉付きイチョウ”は茨城県指定天然記念物。また所蔵している唐本一切経が茨城県指定有形文化財となっています。
本堂のすぐ横に斜面に石組みを配した池泉鑑賞式庭園があります。本堂の再建時に作庭されたものかな。自由に拝観できて、大きな庭園ではないけれど、その滝石組や舟石に目を引かれる。
京都に行かず、関東でも楽しめる親鸞ゆかりのスポット。大覚寺とあわせてどうぞ!
(2019年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)