かつて江戸城二の丸に小堀遠州が作庭した庭園をルーツとする池泉回遊式庭園。『江戸城跡』として国の特別史跡。
皇居東御苑(江戸城跡)について
「皇居東御苑」(こうきょひがしぎょえん)は皇居の東部分、かつて江戸城の本丸・二の丸・三の丸だった場所を“皇居附属庭園”として一部整備し、昭和43年(1968年)より一般公開されている庭園。『江戸城跡』として国の特別史跡となっています。
敷地内にある日本庭園“二の丸庭園”は江戸時代初期に小堀遠州が作庭し、三代目将軍・徳川家光の命で改修されたという池泉回遊式庭園をルーツとします。近代以降は荒廃してしまったそうで、現在の姿は昭和年代に九代目将軍・徳川家重の時代に作成された庭園図面を参考に復元されたもの。
これまで何度か訪れていますが、2019年は初めて6月、花菖蒲の見頃に訪れました!日本庭園を背にして広い菖蒲田があるのが気になってはいたけど、これまでその時期に訪れたことがなく。『明治神宮御苑』から株分けされた84品種のハナショウブ、期待通りとても美しかった!
春には庭園の周りのツツジ・サツキが色づき、秋にはドウダンツツジやモミジの紅葉が美しい――東京の玄関口・東京駅から最も近い日本庭園ということもあり、いつ行っても外国人の方に人気の庭園!といった感じ。
庭園の周辺には明治時代に吹上御所に建造され、その後この場所に移築された“諏訪の茶屋”や、昭和天皇の発案で武蔵野の森を都心に再現したという“二の丸雑木林”(平成年代には現在の明仁上皇のアイデアを元に拡張)も。明仁上皇はその他にバラ園も発案されたそう。
東京駅から最も近い大手門、地下鉄の竹橋駅から近い平川門・北桔橋門…とどこから入場するかで周遊の仕方も変わりますが、大手門から入場すると同心番所・百人番所といった古建築や、皇室ゆかりのアイテムが展示されている“三の丸尚蔵館”がルートの序盤に。
そして北桔橋門から入場するとすぐに江戸城の天守跡である“天守台”があります。この石垣は江戸時代初期、徳川家光の時代から残るもの…ですが、天守閣自体は1657年に焼失したのを機に建て直されることはなかったそう。再建計画を進めている団体もありますが、天守が無い時代の方が長いんですね。
天守台の前、かつては本丸御殿があった場所に広がるきれいな芝生の広場“本丸大芝生”は平日の昼間でも多くの人が憩いの時間を過ごしています。その周辺には茶畑、竹林…など様々な樹木にふれられるよう整備されている一方、ユニークな近代建築『桃華楽堂』も。これは昭和天皇の皇后様、香淳皇后の還暦を記念して建てられた宮内庁の音楽堂。設計は今井兼次さん。
他の代表作としては佐賀市の『大隈記念館』など。大隈記念館も丸みを帯びたとても印象的な建築だったけど、まさか設計者が同じだったとは…!あまり近づけないようにはなってるのですが、いつか内部も見てみたい…。
(2015年1月、2016年10月、2017年12月、2019年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR各線 東京駅より大手門まで徒歩12分
地下鉄各線 大手町駅より大手門まで徒歩8分
東京メトロ東西線 竹橋駅より平川門まで徒歩3分
〒100-8111 東京都千代田区千代田1-1 MAP