医光寺庭園

Iko-ji Temple Garden, Masuda, Shimane

石見国の有力武家・益田氏ゆかりの寺院に水墨画家・雪舟が作庭した“雪舟四大庭園”の一つ。国指定名勝。

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医光寺庭園について

「瀧蔵山 医光寺」(いこうじ)はJR益田駅から東へ約3kmの場所にある臨済宗東福寺派の禅寺。水墨画で有名な室町時代の禅僧・雪舟が作庭された庭園が国指定名勝および史跡となっています。日本遺産『中世日本の傑作 益田を味わう -地方の時代に輝き再び-』の構成文化財。

島根県最西の市・益田にはかの“画聖”雪舟等楊の代表作“雪舟四大庭園”のうち2つが残ります。2021年7月、約5年ぶりに益田の雪舟庭園を巡りました!

医光寺は天台宗の寺院『崇観寺』の塔頭寺院として創建。崇観寺は南北朝時代の1363年に創建。中世の石見国で益田に城下町を築いた武家・益田氏6代目・益田兼弘や8代目・益田兼見の支援もあり繁栄。雪舟と医光寺との縁も、元は15代目益田城主・益田兼尭に招かれ崇観寺の五代目住職を務めたことから。

しかし戦国時代に崇観寺は荒廃。天文年間(1500年代前半)に17代目城主・益田宗兼が塔頭だった医光寺を再興し、崇観寺を合併させ、医光寺がその歴史を継承する寺院として現代に至ります。
現在残る建造物は江戸時代中期、1729年(享保14年)の大火の後に再建されたもので、中門が国登録有形文化財。珍しい形の総門は七尾城(益田城)の大手門を移築したものと伝えられます。島根県指定有形文化財。

本堂の裏に残る池泉鑑賞式庭園。これは雪舟が『崇観寺』住職だった時代の1479年(文明11年)に塔頭だった医光寺に作庭したもの。
池の形は鶴の形を表わし、その中に亀島を浮かべた吉兆を祈る“鶴亀”の庭園で、背後の山の斜面には須弥山を表わした立石や枯滝石組が配された蓬莱山水式の庭園。

今回・前回と夏場に訪れたので木々は緑一面という感じだけど、春には庭園正面にある枝垂桜が美しく(初めて訪れたのは4月だったので少しそれを味わえた!)、そして秋には頭上のモミジの紅葉が美しいそう。斜面にはツツジ・サツキの刈込も多いので晩春にも花が楽しめそう。いつかそんな時期にも訪れてみたい。

(2014年4月、2016年8月、2021年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山口線・山陰本線 益田駅より徒歩35分(駅にレンタサイクルあり)
益田駅より路線バス「医光寺前」バス停下車 徒歩1分

〒698-0011 島根県益田市染羽町4-29 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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