崎山蒼志、りんたろー。は浜北が育てた…江戸時代からの歴史ある“植木の街”浜北に現代に作庭された回遊式日本庭園。
浜北営農緑花木センター・百景園について
「百景園」(ひゃっけいえん)は江戸時代からの歴史を持つ“植木の街”浜松市浜北区(旧・浜北市)に現代/平成年代に作庭された日本庭園。JAとぴあ浜松(農協)の運営する『浜北営農緑花木センター』内にあります。
近年ではお笑い芸人のEXIT・りんたろー。さん、そしてアーティスト・崎山蒼志さんを輩出した浜松市浜北区(旧・浜北市)…そして「おにわさん」中の人の出身地でもあります。(とか言うのおこがましいけれど説明の為にね…)
文字通り浜松市の北に位置する浜北。植木の生産が盛んになったのは江戸時代末期からという歴史を持ち、現代でも主産業の一つとして挙げられる“植木の街”。中でも、地元では“グルメストリート”と呼ばれる国道152号線沿いには植木の畑が多く並び造園業・植木屋が多く存在します。(…というのは住んでた頃は全然気付いてなかったし知らなかったのですが…)
2016年のG7・伊勢志摩サミットの会場にはこの浜北で育てられたクロマツが展示されました。
そんな植木の街・浜北の中核施設が「緑花木センター」。植木の販売・展示場のほか、野菜などの農作物直売所の「ファーマーズマーケット浜北店」、花の販売がメインの「夢花館」(ガーデニングの体験教室も)、そして子供たちのための芝生広場や遊具施設と後述の庭園から構成。
また1972年からはじまり、毎年春と秋に開催される『浜北植木まつり』の会場でもあります。てことは昨年で50周年。そんなお祭りあったのか知らなかった…。子供の頃に親の付き合いで「緑花木センター」に買い物に来た記憶はあるけど、場の記憶は殆ど無いんだよな…。
そんな緑花木センターの中に1997年(平成9年)に作庭された日本庭園が“浜北の名園・百景園”。
浜北の庭園施設としては奈良時代の曲水庭園を再現した『万葉の森公園』の方が有名で、それに対して浜松関係の観光情報サイトには載ってない“百景園”ですが、正直こちらの庭園の方が日本庭園としてのクオリティは高いのでは…?
かく言う自分もこれまで紹介できていなかったし、子供の頃に見た記憶もないのだけれど…約4,000平方メートル(1,200坪)という規模はもちろん、この平坦な土地に築かれた大きな築山と滝石組を目の当たりにして「こんな立派な庭園が浜北にあるなんて…!」と驚いた。(建物も外観は瓦葺の現代和風建築って感じで良い)
築山の上段部にも立派な石組のある立体的な庭園。ふんだんに使われている青石っぽい黒い庭石はこの遠州地方で産出される石なんだろうか。施工はきっと地元・浜北の方々なのだろうけど、設計もそうなんだろうか…作庭意図とか知りたいなあ。この辺の情報を知ってる方がいらっしゃったらぜひご一報くださいませ…。
庭園の一角には国指定名勝の庭園もある滋賀県の『多賀大社』から1983年(昭和58年)に迎祀した『植木神社』も建ちます。“お多賀さん”は植木繁栄の神様なんだとか。
修学旅行で『岡山後楽園』を見て感動して「“庭園”っていいな、こういうのは地元には無い」と思った高校生の自分に教えてやりたい。まあいざ地元で見ても感動しないかもしれないけど…。
今はまだ“浜北の庭園”に付加価値は無いかもしれないけれど、80年、100年…と残されれば浜松の名園という存在になるかもしれない(お手入れも行き届いている)。無料で見られるし地元のフォト・スポットとしてもぜひ。
(2022年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)