偕楽園から約2km。水戸黄門こと徳川光圀公が命名した日本庭園は水戸のあじさいの名所。水戸市指定名勝。
保和苑・桂岸寺について
「保和苑」(ほわえん)は日本三名園『偕楽園』(好文亭)から北へ約2km程の場所にある、水戸黄門こと徳川光圀公により名付けられた日本庭園。現在の庭園は昭和年代に改修を経たものになりますが、地元の方にはアジサイの名所としても親しまれている池泉回遊式庭園があります。
2019年9月に2年半ぶりに訪れました。その時はあまり見頃の花はなかったけれど(百日紅ぐらい)、初めて訪れた11月にはモミジやドウダンツツジが真っ赤に染まった…紅葉が美しい庭園でもあります。
2020年3月にこの保和苑は水戸市の“地域文化財”の記念物・名勝に指定されました。略すと“水戸市指定名勝”になってしまうけれど、これは一般的な“指定文化財”ではなくて。学術目線の?指定文化財になる一歩手前で、それらにならずとも「地域の人がはぐくんできた文化財」みたいなものを指定していく水戸市独自の制度。京都府暫定登録文化財に近しいものかな。
保和苑は隣接する「大悲山 保和院 桂岸寺」(だいひざん・ほわいん・けいがんじ)の庭園として作庭されたもので、水戸藩二代目藩主・徳川光圀に好まれ元禄年代に“保和園”を名付けたのがはじまりとされます。
なお桂岸寺の創建は1682年(天和2年)。元禄時代はその後の年代、水戸光圀が亡くなられたのも元禄の終わりの頃なので、正に水戸黄門でイメージする晩年の光圀公が訪れていたんだろう。
昭和初期に地元の水戸市民によって拡張整備され、名前も現在の“保和苑”に改称されました。現在庭園を見下ろすことができる築山はそれ以降に整備されたもの。また桂岸寺より市に寄贈され現在は都市公園として開かれており、市民により維持管理されています。その一環で6,000株も植えられたアジサイが6月~7月には咲き誇り『水戸のあじさいまつり』が開催されます。いつかその時期にも訪れてみたいなー!
あと今回訪れて知った新たな試みは、この保和苑~水戸八幡宮(国指定重要文化財)~『祇園寺』が水戸の“ロマンチックゾーン”と称され、お散歩ゾーンとして案内マップなどが設置されていた。偕楽園や水戸駅と地味に距離が離れているから普通の観光客はあまり足を伸ばさなかった場所かもしれないけど、これを機に散策してみるのも良いかも。
(2016年11月、2019年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR常磐線 水戸駅より約3.5km(水戸駅南口にレンタサイクルあり)
水戸駅より路線バス「保和苑入口」下車 徒歩3分
東京から高速バスで向かう場合:「大工町」バス停より徒歩約15分
〒310-0052 茨城県水戸市松本町13-19 MAP