蓬莱観庭園“蓬莱園”

Horaikan Garden, Nakatsu, Oita

続日本100名城・中津城からすぐ。春には桜の名所となる、中津藩家老・山崎家ゆかりの庭園を一望するカフェ。

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蓬莱観庭園“蓬莱園”について

「蓬莱観」(ほうらいかん)は福沢諭吉の故郷・中津の城下町に明治時代に開かれた劇場。現在はその名を継いだ『ギャラリー茶論・蓬莱観』がカフェ・レストランとして運営されており、その庭園“蓬莱園”が市民庭園として公開されています。庭園は自由見学。

2021年夏に約8年ぶりに訪れました!真夏で一番草木が生い茂っている季節、庭園の散策/鑑賞には向かなかったけど…カフェの中からは緑に覆われて、森の中の隠れ家的カフェのような気分を味わえた。

軍師・黒田官兵衛こと黒田孝高や大名茶人・細川三斎こと細川忠興も城主として築城に関わった中津城。その天守閣すぐ南のこの場所に1882年(明治15年)に劇場“蓬莱観”が開かれました。
当時の有名役者・歌舞伎役者も出演し、近代~戦前には“博多座”と並び称される九州屈指の劇場となった蓬莱観。しかし戦時中に強制疎開により取り壊しに。

そして戦後に日本庭園として整備されることになる――のですが、ブログ『大分県中津市の地方史』によると戦後はまず鐘紡紡績(現・カネボウ)の工場長宅となり、その際に中津藩主・奥平家を支えた家老“奥平七家”のうちの一つ・山崎家の庭園が移されたそう。

池泉庭園にせり出す縣造の建築も庭園とあわせて整備されたもので、劇場時代に使用されていたケヤキの一枚板やゆがんだガラスが近代和風建築としての雰囲気を醸し出している。室内には昭和の歌手・東海林太郎が使用したピアノも。

庭園の主木と言える存在、それが“楊貴妃”とも呼ばれる江戸彼岸桜(コヒガンサクラ)。室内からも目の前に眺められます(今回はとっくに葉桜)。それ以外にも桜の木が多いそうなので…いつか3月末~4月初旬に訪れたい!

(2013年5月、2021年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR日豊本線 中津駅より徒歩13分(*中津駅にレンタサイクルあり)

〒871-0057 大分県中津市三ノ丁1280 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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