旧本郷家住宅庭園

Hongo Family Residence's Garden, Daisen, Akita

舟運で栄えた町の地主屋敷に長岡安平が作庭した庭園。国登録有形文化財の豪邸も見どころ。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

旧本郷家住宅庭園について

【期間限定公開】
「旧本郷家住宅」(きゅうほんごうけじゅうたく)は大曲駅から約7km離れた角間川町にある江戸時代末期・明治・大正・昭和の建物の近代住宅で、国登録有形文化財。春・夏・秋の一定期間のみ公開されています。

同じ大仙市の国指定名勝「旧池田氏庭園」を手掛けた近代を代表する造園家・長岡安平による作庭で、氏による彩庭図(庭園設計図・彩色付)も現存しているとのこと。主屋の北側にある苔のきれいな庭園(ちょうど真っ赤なモミジの葉が落ちて美しい!)と、洋館の裏手にある中庭。

「本郷家」は江戸時代から続く大地主で、池田氏と並んで「秋田三大地主」とも言われます(色んな三大がありますね…)。この広いお屋敷は明治天皇行在所にもなり、すごいのが住宅内に3つ分程の大きな石蔵があること(外にある味噌蔵・文庫蔵は文化財ですが、これらは個別の文化財指定ではないみたい…)。1つ程の蔵が住宅内にある例はこれまで何度も見ていますが、こんな大きい蔵が住宅内にあるのは初めて見た…。

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「旧本郷家住宅」のある角間川町は初めて行きました。大曲駅からも離れていて、最寄り駅も約4km程…と決してアクセスが良いとは言えないこの場所に、こんなに長い黒塀の住宅・街並みが現れて驚いた。かつて久保田藩の藩政期から東北を代表する雄物川の舟運の河港の一つとして繁栄していたそうで、今も中央に広い道路が通っていることやガソリンスタンド、銀行がある様子はその面影だなあと感じます。

こんな感じでつぶやいたのですが、各自治体が「クールジャパン推進」「観光立国」という政府の方針の元に街づくりを課された中で、大仙市としてはこの景観と文化遺産を活かした街づくりを進めると宣言。クール・ジャパンの方向をそういう風に持っていくのは素晴らしいこと!下記公式サイトからリンクされている『河港のまち角間川・歴史まちづくり事業の概要』は是非見てみてください(容量が大きいけど)。「人が活き、人が集う夢のある田園交流都市」――良き。

本郷家と並ぶ、北島家、荒川家も整備が進められており、一部敷地は本郷家と併せて公開されていました。ちなみに「北島氏庭園」も長岡安平の作庭とされています。またすべての整備が進んだ頃、足を運びたいなー!

(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR秋田新幹線 大曲駅より約7km(観光案内所にレンタサイクルあり)
JR奥羽本線 飯詰駅より約3.5km(徒歩40分強)
大曲駅・横手駅より羽後交通・角間川線「角間川本町」バス停下車 徒歩1分(平日のみ運行)
秋田駅・横手駅・湯沢駅間高速バス「角間川BS」バス停下車 徒歩15分(1日3〜4往復)

〒014-1413 秋田県大仙市角間川町西中上町19 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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