室町幕府二代将軍・足利義詮と武将・楠木正行ゆかりの寺院は嵯峨嵐山の紅葉の名所。『足立美術館』作庭者・中根金作による小倉山を借景とした枯山水庭園も。
宝篋院庭園について
「宝筐院」(ほうきょういん)は京都・嵯峨野にある臨済宗の禅寺で、平安時代に白河天皇の勅願寺として建立された歴史を持ちます。現代には紅葉の名所としても有名。その庭園は『足立美術館』の作者として有名な中根金作の作庭。
当初は「善入寺」として創建された宝筐院、南北朝時代の貞和年間(1345~50年)には夢窓国師こと夢窓疎石の高弟で水墨画家としても知られる黙庵周諭禅師が入寺。
黙庵が室町幕府二代目将軍・足利義詮から帰依されていたことから義詮の援助もあり中興、そして1367年に亡くなった義詮の菩提寺となりました。その墓所には、足利家と対峙したライバル・楠木正行のお墓も。
そんな足利将軍家の菩提寺も応仁の乱や足利家の影響力低下と共に荒廃、江戸時代の末には廃寺に。
近代に入り、明治時代に京都府知事・北垣国道により楠木正行ゆかりの史跡を示す石碑が建てられたことを機に、神戸の川崎財閥(川崎造船所/現・川崎重工)の川崎芳太郎が旧境内地を買い戻し再興。現在見られる境内の姿は主に大正時代に新築/移築などで整えられた姿。
境内には苔の中に多数のモミジが植わっている新緑と紅葉の名所で、本堂周辺で小倉山を借景とした白砂の枯山水庭園を楽しむことができます。1963年の『〈美術史短編〉嵯峨めぐり』の段階で庭園の存在についてふれられているけど、中根金作の庭園が作庭されたのはそれ以降(1966年)。
(2021年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR嵯峨野線 嵯峨嵐山駅より徒歩13分
嵐電 嵐山駅より徒歩13分
阪急嵐山線 嵐山駅より徒歩20分強
最寄りバス停は「嵯峨小学校前」バス停 徒歩6分
〒616-8424 京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂門前南中院町9 MAP