蓮の名所として知られる“蓮の寺”に残る、平安時代末期に作庭された浄土式庭園と日本最古の人工滝“青女の滝”。
法金剛院庭園について
「五位山 法金剛院」(ごいさん・ほうこんごういん)は律宗・唐招提寺に属する寺院で、平安時代に作庭された浄土式庭園が国の特別名勝に指定。また7月にかけてはその池にハスの花が咲き誇る蓮の名所としても知られ、“蓮の寺”として「関西花の寺」第13番霊場となっています。
2019年の夏、約5年ぶりに訪れました!(蓮の花は少しだけ残ってた)
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法金剛院の歴史は平安時代初期に遡ります。平安時代の始めには右大臣・清原夏野がこの地で山荘を営んでいたそう。清原の没後にその山荘が「双丘寺」となり(またその頃、現在も境内にある山が仁明天皇によって「五位山」と名付けられたそう)、858年には文徳天皇により伽藍が整備され「天安寺」に変わり、更に時を経た平安時代末期の1130年に鳥羽天皇の中宮であり後白河天皇の母・待賢門院により再興され「法金剛院」となりました。
それに伴い待賢門院の命によって作庭されたのがこの池泉回遊式の浄土庭園。池泉庭園の方は…今までの2回とも蓮で埋め尽くされてあまりちゃんと姿が確認できないのですが、庭園奥にある「青女の滝」は石立の僧・林賢(りんけん)と静意(じょうい)により巨岩を並べて作られた日本最古の人工滝とされ、発願者と作者が明確でかつ遺構が残っているものとして大変貴重…ということで『法金剛院青女滝 附 五位山』として特別名勝に指定されています。
現在の庭園は昭和年代に発掘・復元されたもので、伽藍も全盛期と比べると戦乱や天災により縮小されているそうですが、それでも江戸時代以降に再建された庫裏・礼堂を蓮池の向こうに眺められる姿は美しい。
また本尊の阿弥陀如来坐像を筆頭に、十一面観世音菩薩、僧形文殊菩薩、地蔵菩薩…と平安時代〜鎌倉時代に作られた国重文の仏像を多く所蔵しています。ハス以外にも池の周辺は青々しいイロハモミジもきれいなので、今度は紅葉時期にも訪れてみたい!
(2014年7月、2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)