2018年新たに香川県指定名勝となった、三百以上の岩による石組が独創的な江戸時代前期の庭園。
宝光寺庭園について
「宝光寺」(ほうこうじ)は平安時代中期の980年に創建されたという古刹で、その庭園「宝光寺庭園」が2018年新たに香川県指定名勝となりました――ということで2019年の年始の四国旅行中に早速観に行ってきました。
本堂の横に江戸時代前期に作庭されたという池泉鑑賞式庭園があります。特徴的なのはとにかくその石の数で、300個以上の石によりその石組が造られています。ただ単純に積み上げられているのではなく棚田のようにほぼ等間隔で段が形作られていて――そしてその借景に天井山を眺められるミニマルかつ壮大な庭園!そして築山の頂上に立つ滝石から、滝が石によって表現されているのが独創性があって非常にかっこいい。
ちなみに書院の中庭には古田織部の切支丹灯籠があるということで本堂の裏にも回り込ませてもらったけどそれっぽいものに気づかなかったかも…。境内の羅漢堂に数多く並ぶ羅漢石像や石地蔵も見所で、安産や子育て祈願に良い寺院だそう。事前の情報が少なかったけど立派なお寺さんでした。
2018年末、2019年年初に初めて足を運んだ庭園はアクセスが良くない場所も幾つかあったのですが、こちらもその一つ。下記の交通案内の通り土休日だと公共交通機関では往復できない、平日も実質1往復…。昔は「引田駅」近辺にレンタサイクルがあったようなのでそれも考えたのですが(約7km)、現在はもうなくなってしまったそう。あったところで行きはかなりの上りだけれど。
今回は平日に合わせてバスで行きました。バス停からは20分程ゆるい山を登り続けますが、その周辺は一面の田畑が広がる。宝光寺は室町時代には管領・細川勝元より領田を寄付し再興・繁栄させた――ということで、この一帯の田畑はその頃からの歴史を持つということなのかなと。
…で、今回の旅でイノシシに荒らされて拝観休止となった庭園を知って以降、イノシシによる脅威というのを感じていたわけですが、この田畑や林の周辺には鉄柵(や電気柵)が張り巡らされていたのがすごく印象的――こうしたエリアはまさに格好の標的だよなあ…。
なお拝観に関してはお電話でお聞きしたところ自由拝観のようでした。「そんな庭園なんて程でもないんですけどね」と奥さまはおっしゃっていたけど、石組の芸術性の高い名園だと思います!足を運んだ甲斐あった。
ちなみにバスの乗車口となる三本松は讃州街道の古い街の風景が、讃岐白鳥は「白鳥神社」も非常に良い感じでした。また行ってみたい街。
(2019年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR高徳線 三本松駅・讃岐白鳥駅(白鳥神社前)より路線バス「東山」バス停下車 徒歩約20分
※平日は3往復、休日は1.5往復ありますが、「当日行って帰ってくる」に利用できるのは実質平日1、2往復のみ。東山バス停の時刻表はこちら
もう少し本数のある東山バス停の一つ手前、「西山」バス停から宝光寺までは徒歩30分程。東山バス停の時刻表はこちら
〒769-2711 香川県東かがわ市東山1200 MAP