2017年に新たに国登録名勝に選定された、巨石による滝組が独特な庭園。作庭は松尾仙六。
平田氏庭園(平田家住宅)について
【見学は月・水・金のみで要予約。事前問合せ推奨】
「平田氏庭園」(ひらたしていえん)は2017年秋に国登録記念物(名勝地関係)に新たに選定された庭園。また明治時代〜昭和初期に建てられた「平田家住宅」の建築群は小郡市の有形文化財となっています。
佐賀県鳥栖市と隣接し、西鉄の急行では久留米の隣となる小郡の町。かつて彦山道の在郷町として江戸時代以降に発展した町で、見学時に一緒にもらった「町あるきマップ」を見ていても平田家住宅以外にもいくつか古い町家や商家が残されており、旧郵便局の古庭園も紹介されていました(一般住宅内なので非公開。歩いていると和風庭園のある住宅が多い)。
中でもひときわ大きな「平田家」のルーツは戦国時代の佐賀領主・龍造寺家の家臣であった時代まで遡り、その後明治初期に当時の当主が財を成しこの邸宅を建造。現在小郡小学校のある場所までが平田家の敷地だったそうです。現在も暮らしておられるので主屋の見学はできませんが、庭園のほか座敷・新座敷の見学は可能で、今後は市のイベント等にも活用されるよう。
昭和初期に鳥栖の庭師・松尾仙六に造られたとされる庭園は現在は水は流れていませんが、当初は池泉鑑賞式庭園だったのかな?特徴は主屋と客殿をつなぐ太鼓橋と、その先にある巨石による石組み。その岩の変色からかつて滝が落ちていたことが分かる…住宅庭園としてこんな巨石による石組はなかなか見ることがなくとてもユニークな作り。水が流れてるとこ、いつか見てみたい…。
見学の際にいただいた冊子「平田家住宅保存整備・活用基本構想」に載っている古写真によると、上の1枚目の写真の下部、現在は平らっぽく見えている石橋はもっと丸っこい石橋だったようです。そもそもの調査開始が2016年から。まだまだこのような庭園が眠っているんだな――と思います!
※松尾仙六氏の名前は初見でしたが、2018年秋からちょうど↓このような活動も始まったようです…。行きたいーー!
■大正-昭和初期の庭園 庭師松尾仙六の「作品」たどるツアー 高い独創性、造園術を再評価 [福岡県]|【西日本新聞】
(2018年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)