新選組・近藤勇や土方歳三も傍で過ごした東京都内で唯一現存する本陣建築と、現代の枯山水庭園。東京都指定史跡。
日野宿本陣について
「日野宿本陣」(ひのじゅくほんじん)は甲州街道・日野宿に残る、東京都内で唯一現存する本陣(脇本陣)建築。現在の建物は1849年に火災で焼失後、幕末の1864年に建てられたもので日野市指定有形文化財、そして「日野宿脇本陣跡」として東京都指定史跡となっています。
2019年6月、『高幡不動尊』にあじさいを観に行った後にこちらも初めて訪れました。そして中央線沿線に住んで15年目にして初めて日野で降りた!
日野宿が開かれたのは江戸時代初期。甲州街道が整備された際に、八王子宿と府中宿の間の宿場町として成立。本陣を営んだのは元は農村だった日野の名主をつとめていた佐藤家でした。
江戸時代後期、その時の当主・佐藤彦五郎がこの本陣の長屋門を改装して天然理心流の道場を開いたところ、道場で剣術を教えることになったのが新選組局長・近藤勇。そしてこの場で土方歳三、沖田総司、井上源三郎ら新撰組主要メンバーが出会いました。14代目将軍・徳川家茂の上洛警護にあたる数年前の話。
新選組が離れた後は戦禍をこうむることもなく、空襲も免れてこの建築は現在まで残りました。入母屋造りの玄関が立派な本陣建築、内部の襖絵などを楽しんだ後に建物奥の枯山水庭園へ。庭園個別の解説はなく、雰囲気も“古さを感じる”というよりは“新しさを感じる”…昭和後期の航空写真には庭はあるけどこのような白砂の姿は映り込んでいないから、2004年の開館時に作庭されたのかな。ちょうど一年前には紫陽花の姿も。
新撰組はあまり通っていないので意識したことなかったけど、そのような縁あって日野は“新選組のふるさと日野”として観光PRがされています。この本陣やその裏の「佐藤彦五郎新選組資料館」は佐藤家に残る新撰組にまつわる史料が閲覧でき、市内にはその他にも「土方歳三資料館」「井上源三郎資料館」も。東京の歴史散歩の一つとして!
(2019年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)