銀閣寺すぐ。日本画家・橋本関雪が自身で設計した大文字山の借景が美しい回遊式庭園と和風建築群。国指定名勝。
白沙村荘庭園 橋本関雪記念館について
世界遺産&国宝『銀閣寺(慈照寺)』の最寄バス停を降りてすぐ。「白沙村荘」(はくさそんそう)は大正〜昭和期に活躍した日本画家 橋本関雪が作品の制作のために造営した邸宅。大文字山を借景にのぞむ広大な池泉回遊式庭園が国指定名勝となっています。また関雪の作品や収集品を展示している美術館を併設。
>> Read in multiple languages on the “Kyoto City Official Travel Guide” website
2019年3月に銀閣寺を6年ぶりに拝観したのですが、その前にこの庭園にも4年ぶりに立ち寄りました。平日でもどの季節でも人通りの多い銀閣寺参道――その参道の入口、銀閣寺からは徒歩5分の場所に「白沙村荘」はあります。
――この人通りの多さ&バス停のすぐ目の前なのに、美術館と併せて30分は居たけど他に入場者が居なくて――独り占めと言えば気分良いけど、観光スポットとしての知名度の差でこんなにも人は立ち寄らないものなのかと思った…!
それ以降、2020年にも2度訪れました。大文字山の借景を目の前にのぞむ素晴らしい池泉回遊式庭園、この人の少なさならば超穴場の庭園だと思う…。美術館も込みなので入場料は寺社仏閣と比べると高いけど、見る価値ありですよ〜〜。
※補足すると2018年頃までは庭園が荒れた状態だったそう。前回訪れた2014年12月は新美術館が開館した直後だったので、今回と変わらず比較的すっきりした状態だったのかもしれません。
白沙村荘の造営がはじまったのは大正時代。1万平方メートルという敷地内には大正〜昭和初期に建築された本邸をはじめ、画室、四阿、持仏堂、複数の茶室に洋館…といった建物が30年に渡って造営が続けられました。
敷地内には建物の他にも平安〜鎌倉時代の古い石造美術品が配されており、この庭園と建物の基本設計をすべて橋本関雪自身が行ったのが白沙村荘の特徴。
敷地内の多くを占める池泉回遊式庭園は前述の通り大文字山の借景が美しい庭園。また池のほとりに建つ二階建ての「大画室 存古楼」はその名の通りアトリエだった場所(庭園は撮影可ですが、この内部は撮影不可)。庭園内に点在する茅葺屋根の四阿「如舫亭」、茶室の「倚翠亭」「憩寂庵」を巡りながらそれぞれの場所からの景色の変化を楽しむことができます。
また大文字山の風景は橋本関雪記念館の新美術館2階のテラスからより真正面にのぞむことも。絶景!
銀閣寺道に面した敷地内にはお食事処やレストラン「NOANOA」も。ノアノアが入っている洋館は昭和初期に造営された建物で、「白沙村荘洋館」として国登録有形文化財となっています。
・・・・・・・・
その他、橋本関雪ゆかりの地として大津市(ほぼ山科)の『月心寺』があります。関雪が所有していた別邸が寺院となったものでありこちらにも庭園があるのですが、通常時は鑑賞は10名〜の申込制。個人旅行ではなかなか見るチャンスがなさそうなのが悩ましい所…。
※…なのですが、例年春や秋に土日のみ個人でもOKな特別公開も実施されているとのこと。2019年の告知はこちらから。
で、2019年11月にその月心寺も訪れました!こちらもめちゃくちゃ良かったのでぜひ。⇒『月心寺走井庭園・橋本関雪別邸“走井居”』
(2014年12月、2019年3月、2020年3月、2020年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)