四国八十八箇所霊場の第78番札所。高松藩主・松平家が造営した客殿“観海楼”の正面に残る池泉回遊式庭園。
郷照寺庭園について
「仏光山 郷照寺」(ごうしょうじ)は四国八十八箇所霊場の第78番札所。“厄除けうたづ大師”の通称でも知られます。日本遺産『四国遍路~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化~』の構成文化財で、境内には池泉回遊式庭園もあります。
2021年1月に初めて立ち寄りました。その歴史は奈良時代の初期、725年(神亀2年)に行基により開創され、御本尊の木造阿弥陀如来坐像も行基の作と伝わります。香川県指定重要文化財。
平安時代に入り、807年(大同2年)または815年(弘仁6年)に弘法大師空海が訪れ伽藍を整備。戦国時代の終わり、元亀~天正年間の兵火で焼失していまいますが、江戸時代初期の1664年(寛文4年)に高松藩主・松平頼重によって再興。それを機に開創からの“道場寺”の名から“郷照寺”へと改められました。
本坊の裏手、藩主・松平家によって造られた客殿“観海楼”の正面からのぞむような形で、青ノ山の斜面を利用した池泉回遊式庭園があります。見た目は新しそうにも見えるけど、客殿とセットで作庭されたんだろうと想像すると原型は江戸時代に造られたのだと思います。
開門時間中は自由に拝観できるこの庭園、この写真は1月の夕方で写真映えしないのですが…春にはツツジ、サツキが花を咲かせ庭園を彩ります。高台部からは瀬戸内海や瀬戸大橋の眺望が◎。
高台部にある永代供養廟やそこへ至る園路がどうやら平成年代以降にできたもので、それまではこの庭園はここまで開放的な姿ではなかったみたい。四国八十八箇所巡礼で訪れたら、この庭園もチェック。
(2021年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)