五風荘庭園Gofuso Garden, Kishiwada, Osaka

昭和初期に岸和田市長の別邸として建てられた近代和風建築と庭園。茶人・木津聿斎(木津宗詮)設計の茶室も。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

五風荘庭園について

「五風荘」(ごふうそう)は岸和田城から程近くにある、昭和初期に建てられた近代和風建築。主屋や茶室などの建造物が岸和田市指定有形文化財、池泉回遊式庭園が「五風荘庭園」として岸和田市指定名勝となっています。

2019年夏に2年半ぶりに訪れたので、その際の写真を更新。前回訪問時は「がんこフードサービス」による文化財級の邸宅・庭園を活用した“お屋敷”シリーズの店舗でしたが、2019年度から岸和田グランドホールに指定管理者が変わりました。和食を中心としたレストランなのは変わらず、また食事をせずに庭園のみの散策も可。

この地は江戸時代には岸和田城主の新御茶屋や薬草園があった場所。その跡地に岸和田の資産家一家“寺田財閥”の出で岸和田市長を務めた寺田利吉が別邸を造営。かかった期間は1929年(昭和4年)から10年とも、昭和12年から3年ともありますが、いずれにしても長期間かけて大きな邸宅と庭園。
この寺田家の事業の一つに織物・紡績があり、昭和初期の岸和田の呉服店を舞台とした朝ドラ『カーネーション』も同時代の岸和田を描いたものとしてその舞台にもなりました。

通常使われない表門「南木門」は奈良・東大寺の塔頭から移されたもので、五風荘の中で最も古い建造物。当初は五風荘も“南木荘”と呼ばれたそうで、“南木”というのは岸和田にゆかりある武将・楠木正成の“楠”の字をもじったとか。
また安土城に織田信長が持ち込んだという十三重の石塔も巡り巡って寺田利吉により購入され、この庭園に移されています。

主屋だけでなく、庭園には池泉にせり出した“山亭”、“利庵・残月席”、“利庵・八窓席”という複数の茶室も。山亭の懸造だけど窓ガラスという近代の開放的なデザインが面白いのですが、設計は茶人・木津宗詮が携わっているとのこと。

これ書きながら気づいた。この茶室および大阪市の『四天王寺庭園』『慶沢園』の茶室・庭園に携わっている木津聿斎という人物が三代目・木津宗詮。武者小路千家流茶道の宗匠である木津宗詮の三代目・聿斎は茶室設計や作庭に優れ、100以上の茶室・茶庭に携わったそう。つい調べ始めてしまった…取り急ぎいくつか現存しているものを把握。また知りたいクリエイターが増えた。

冬に訪れた時はわからなかったけど、今回夏場に訪れて、モミジが多い庭園だなということに気づいた。海から近い場所の割に、鬱蒼とした雰囲気を残している庭園。また季節を変えても訪れたい庭園!

(2017年2月、2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

南海本線 岸和田駅より徒歩10分
南海本線 蛸地蔵駅より徒歩3分

〒596-0073 大阪府岸和田市岸城町18-1 MAP