西条の酒蔵通り近くにある、龍安寺の石庭を模して作庭された“白波枯山水”庭園。酒蔵の煙突の借景がユニーク!
福寿院円通寺庭園について
「善応山 福寿院 円通寺」(ふくじゅいん えんつうじ)は“酒都”西条の酒蔵通り一帯にある寺院。山陽花の寺二十四か寺の23番札所。境内には“白波枯山水”という石庭があります。
2019年11月に初めて東広島市・西条の街を訪れました!お目当ては重森三玲作庭の『前垣氏庭園』の特別公開(申込制)だったのですが、酒蔵が立ち並ぶレトロな西条の町並みも前から訪れたいと思っていた街。そして他にも庭園ないかな~と思ってGoogleマップで見つけた場所がこちらのお寺さん。
東広島市・西条の観光サイトにもPDFにチラっと載ってるだけですが…東広島市の文化財本?に少し詳しい情報があったのでそちらも参考にしながら。
福寿院円通寺は、古くは聖徳太子による古道場だったとされます。中世では廃寺と再興を繰り返し、江戸時代初期~中期にかけて現在地に伽藍が整えられました。現在残る本堂は1706年(宝永3年)頃の建築。それ以外は全体的に新しめの境内。
“白波枯山水”と名付けられたその枯山水庭園は、同じ臨済宗妙心寺派の大寺院である京都の『龍安寺石庭』を模してご住職自らによって作庭、2001年に完成したもの。 龍安寺の許可の下、自ら実測し作庭されたそうですが龍安寺ほど横長ではない。これは敷地の都合によるものなんだそうですが、面積としては同一というこだわりぶり。福美人酒造の煙突が借景となっているのが「ああ、酒蔵の街だなあ」という雰囲気が味わえてすごく好き。
あとどうやら…石の周辺に白い砂を敷きはじめたのはごく最近。下記関連リンクの東広島市のアーカイブの写真を見ても無いし、Googleマップの航空写真で見てもそう。石の周りも現在の人工芝ではなく普通の芝生だった様子。根付かず試行錯誤されているのかな…。先日紹介した『慈雲寺庭園』でもビャクシン的なやつ(違ったらごめんなさい)を石の足元に植えていたり、苔が根付かない環境での石と緑のバランスはさまざま。
また“花の寺”としてはユリ、シャクヤク、グラジオラスが有名だそう。今回訪れた秋は少し季節外れではあったけど、それでも花壇には紫、赤、オレンジの花が咲いていた(種類はわからず…)。そして山門の小坊主さんや寺務所?の描かれたイラストもかわいい。酒蔵めぐりとあわせてどうぞ!
(2019年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)