延福寺庭園

Enpukuji Temple Garden, Kameoka, Kyoto

“京の奥座敷”亀岡の更に奥。国指定重要文化財の十三重塔も残る江戸時代の庭園は京都府暫定登録文化財(名勝)。

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延福寺庭園について

「延福寺」(えんぷくじ)は亀岡市の中心部から西に約10km程の場所にある高野山真言宗の寺院。境内にある十三重塔が国指定重要文化財であるほか、江戸時代に作庭された池泉庭園が京都府暫定登録文化財となっています。

2020年8月に初めて訪れました。遠出はしづらいけど普段行けない場所に行きたいなーと思い、スクーターを借りて公共交通機関では行きづらい亀岡市西部〜大阪府能勢町の庭園へ。ここから紹介する5つの庭園、それぞれとても行きづらい場所なんだけど、Googleマップにピンを立ててたら意外と線で繋がった。

亀岡の“湯の花温泉”の更に西にある延福寺。平安時代末期の1154年、文覚上人の創建と伝わります。鎌倉時代、祐辨が御本尊薬師如来に祈願して花園天皇のご病気を快復させた功によって堂塔が完備(ただすぐ焼失)。
現在も結構大きな伽藍を残していて、2枚目の背後に隠れてる朱色の“二天門”は寛永年間(1624〜1645年)、庫裏は1777年(安永6年)の建築。

で、知ったきっかけは亀岡市の文化財一覧に“延福寺庭園”とあったから。ただし同じ亀岡でも市街地に近い『浄福寺庭園』と同じく、“京都府暫定登録文化財”という準文化財的な扱いではある(暫定登録文化財ってなんぞ、って話は浄福寺の紹介にて)。お寺のウェブサイトなんて無いので…庭園拝観できるかもわからなかったけど、自由拝観でした。ご本堂に志納して庭園へ。

心字池を中心に、周囲に巡らされた飛び石から景色の変化を楽しむ池泉回遊式庭園。苔むした築山には石が配され、そして山側の斜面には枯滝石組があります。池の頭上には桜の木が降りかかっているので春には桜が美しいのだろうなあ。あと多く植わっているシャクナゲの葉を見ると、高野山を思い出す。
江戸時代のいつ作られたかは不明だけど、江戸中期の庫裏の再建にあわせて整備されたと考えるのが自然でしょうか。また案内板には“花泉による作庭”とある。庭師の名前なのかな。

そして国重文の十三重塔は庭園の一角に鎮座しています。一段高い場所にある境内から見渡す亀岡の山々の風景も素晴らしい。
あと案内にはないけれど、庫裏の前には現代に作庭されたとおぼしき石庭もあります。現代的な感じの石畳(延段)の間からヤマユリやキキョウの花が顔を出していてほっこり。

(2020年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR千代川駅から亀岡市ふるさとバスで「本梅」バス停下車 徒歩5分
亀岡駅より約10km(※駅にレンタサイクルあり)

〒621-0255 京都府亀岡市本梅町西加舎的場12 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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