圓光寺庭園

Enko-ji Temple Garden, Kyoto

洛北の紅葉の名所。江戸時代の庭園“十牛之庭”と、平成の枯山水庭園“奔龍庭”。円山応挙筆の国重文の絵図も。

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圓光寺庭園について

「瑞巌山 圓光寺」(ずいがんざん えんこうじ)は京都の人気の紅葉スポットの一つ。紅葉が立ち並ぶ池泉回遊式庭園“十牛之庭”と、現代に作庭された枯山水庭園“奔龍庭”があります。

これまで冬に2度、そして“敷紅葉”の季節に一度。2020年10月に再訪したのでその時の写真を追加しました。なお2020年の紅葉シーズンは要事前予約となっています。詳しくは公式サイトより。昨年の紅葉シーズンは長蛇の列だったので事前予約制は色んな面で良さそう。

当初は徳川家康が「教育のための学校」を設立するため、“日本最古の学校”『足利学校』から三要元佶(閑室)禅師を招いて伏見に“圓光寺学校”を設立。その後1667年(寛文7年)に圓光寺として現在地に移り今日に至ります。なので境内の高地部には家康をまつった東照宮も。

そんな歴史ある寺院ですが、境内を進んで初めに現れる枯山水庭園“奔龍庭”(ほんりゅうてい)はとても現代的な庭園。作庭を手掛けているのは京都・伏見の藤井造園さん。その名の通り龍が天に登る様を石組と白砂で表現した庭園なのですが、この庭園のみならず割と早い段階から圓光寺はウェブサイトもかっこよかったので、感覚が新しいお寺さんなんだなあ、と感じます。
この枯山水、宝物館「瑞雲閣」を背景とするか、紅葉を背景とするか、瓜生山を背景とするか…どのビューポイントが一番良いか人によって分かれそうなんだけど、個人的には市街地・北山方面を借景として見るのが一番好き。

そして本堂の前に広がる“十牛之庭”は江戸時代初期(お寺が移転した頃?)に作庭された池泉回遊式庭園。本堂から眺めると目に入ってくるのは苔が美しく、その石組は牛を追いかける牧童を描いた“十牛図”を表現したというもので、その奥に洛北最古の池泉と言われる“栖龍池”があります。

この苔の上に多くの紅葉が植わっており、秋には紅葉の名所・ピークが過ぎた後の敷紅葉や早朝拝観プランも人気。また本堂から見て十牛之庭の背後にある竹林は江戸期の画家・円山応挙もよく訪れていたと言われる竹林で“応挙竹林”と名付けられています。圓光寺は応挙ゆかりの寺院でもあり、宝物館に収蔵されている「雨竹風竹図屏風」は国指定重要文化財。

本堂に上がると、富岡鉄斎が明治期に圓光寺を訪れた際に描いたという「米點山水図」や、運慶の作と伝わる御本尊「千手観世音菩薩坐像」、そして裏には岩倉具視が作ったという茶室「待月庵」の姿も。ちなみに岩倉具視つながりで言うと、同じく左京区の『岩倉具視幽棲旧宅』は約5km程の距離。
このお茶室は普段は非公開ですが、茶会が催されることもあるそう――いつか中を見てみたいし、本堂・茶室・庭園の感じが、お寺というより山荘っぽい雰囲気を覚える――のが圓光寺のロケーションが魅力的に感じる点なんだろうな。次回また枝垂れ桜や新緑の時期に訪れます!

(2014年12月、2018年3月、2019年12月、2020年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

叡山電鉄本線 一乗寺駅より徒歩15分
最寄バス停は市バス「一乗寺清水町」バス停下車 徒歩9分

〒606-8147 京都府京都市左京区一乗寺小谷町13 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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