国指定名勝“旧齋藤家別邸”の斎藤家の本邸から白山公園に移築された明治時代の近代和風建築。茶室とその庭園も。
燕喜館(旧斎藤家住宅)/茶室“遊神亭”について
「燕喜館」(えんきかん)は新潟三大財閥と言われた豪商/実業家・齋藤喜十郎の本邸から移築された明治時代の近代和風建築。平成年代に国指定名勝『白山公園』内に移築され、「燕喜館(旧斎藤家住宅)主屋」として国登録有形文化財。茶室“遊神亭”とその茶庭も隣接します。
新潟旅行へ来ると毎回立ち寄っている『白山公園』、2021年11月の2年半ぶりの新潟旅行の時にももちろん立ち寄りました。公園とこの燕喜館をまとめて紹介していたけど、ボリュームが増えてきたので分割。
>> 明治時代に楠本正隆により造営された国指定名勝『白山公園』はこちら
同じく新潟市の国指定名勝の庭園『旧齋藤家別邸庭園』。燕喜館はこの“齋藤家”から本邸の一部(明治40年代の建築と推定)が寄贈/移築され、新たに茶室“松蔭”を加えて1997年(平成9年)に開館したもの。
この新たな茶室“松蔭”は“庭屋一如”を提唱した京都の数寄屋建築の大家・中村昌生の設計、京都で数寄屋建築を数多く手掛ける安井杢工務店の施工。京都の一流の手も加わっている建築。
んで“一部を移築”と言っても、新潟の豪商や豪農の邸宅はスケールが違うので現代の感覚からすれば十分に豪邸レベルの広さの燕喜館。メインの2部屋、前座敷・奥座敷や廊下では格式の高さが感じられる欄間・書院の意匠や銘木が用いられた数寄屋風建築を見ることができます。
そして玄関に掲げられている“燕喜館”の扁額は長三洲の筆。“長州三筆”に挙げられる長三洲は京都の山縣有朋別邸『無鄰菴庭園』でも書を残している方で、そこからは新潟の豪商と当時の政府要人との繋がりも見えてくる。
季節ごとに日本文化を感じるイベントが開催されていて、今回(11月)はちょうど毎秋開催されている『新潟フラワーデコレーション“越の花飾り”』の作品が中庭に展示されていていつも以上にカラフルな庭園の姿が。この展示が無い時は白山公園の“蓮池”の姿を見下ろすことができます。
そしてその“蓮池”のほとり、燕喜館に隣接するのが茶室“遊神亭”(市民茶亭遊神)。これは燕喜館の一足先、1970年(昭和45年)に造られたもので、新緑と紅葉の美しい茶庭・露地庭園を歩くことができます。建築の年代は違うけど、庭園が効果的に空間を繋げていてとても良い。さまざまな庭園の姿を楽しめる白山公園、この露地も見逃さずに!
(2019年5月、2021年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR上越新幹線 新潟駅より約2.5km(徒歩30分)*新潟市内各所にレンタサイクルあり
新潟駅より路線バスで「市役所前」「白山公園前」バス停下車 徒歩3分
〒951-8132 新潟県新潟市中央区一番堀通町1-2 MAP