世界遺産“首里城”の麓に広がる池泉は日本の室町時代の作庭。そこに架かる“天女橋”は現存する日本最古の石造アーチ橋として国重要文化財。
円覚寺跡・円鑑池・龍潭について
琉球を代表する城郭であり世界遺産の「首里城」(しゅりじょう)の麓にある関連史跡「円覚寺跡」「円鑑池」「龍潭」。このうち円鑑池と龍潭は日本の室町時代以前に作庭された歴史ある人工池であり、そのほとりに残る「円覚寺跡」は国指定史跡となっています。
「円覚寺」は琉球王家・尚氏の菩提寺として、鎌倉の大寺院『円覚寺』を模して室町期に創建されたもの。国宝にも指定されていた寺院の建造物は太平洋戦争の沖縄戦で焼失していますが、現在では総門など一部が復元されています。
「円鑑池」は円覚寺の前に室町時代に造られた人工池。その中ノ島にある「弁財天堂」へ渡れるように造られた中国風の石造アーチ橋「天女橋」(別名・観蓮橋)は、日本に現存する最古の石造アーチ橋として国指定重要文化財となっています。
その「円鑑池」からも繋がっている「龍潭」は円覚寺より以前に造られた人工池で、琉球王家・尚氏の命により中国の池泉にならい国相懐機によって作庭されたものとのこと。現在も池を挟んで首里城と石垣を眺めることができますが、古くから水面に首里城を写す姿を庶民が楽しめる名勝地だったとされます。
(2018年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)